
珠州代
@suzus1ro_
2025年6月18日

伝説の勇者の伝説1 昼寝王国の野望
とよた瑣織,
鏡貴也
読み終わった
心に残る一節
感想
@ 自宅
学生時代にアニメをたまたま見て好きになった作品。つい先日続編の最新刊発売を以て完結したと聞き、うろ覚えだったのもあってもう一度読み直そうと手に取った。
舞台は国同士が争い、歪み合う魔法が蔓延る世界。そんな国の一つであるローランド帝国の軍事特殊学院(簡潔にいうと両親がいない子供を国の兵として育成する学校)に通う落ちこぼれの主人公ライナ・リュートと学院のエリートであるシオン・アスタールが出会い、世界を取り巻く運命に巻き込まれていく。
1巻目は物語のプロローグ的な立ち位置で主人公ライナの人物像や彼の所持する魔眼、複写眼(アルファ・スティグマ)がどのような性質のものなのかの説明が丁寧にされている。今では多く見受けられるようになった主人公がチートで無双する系統だが、ライナ自身の性分が怠け者なので本質が見られるのはごく稀で常に強い訳ではないため物語のスパイス的な要素となっている。
微ネタバレになってしまうが、ライナが書いたレポートの一節『みんなが笑って、昼寝だけしてればいいような世界へ。』が個人的に好き。幼い頃から魔眼のせいで忌み嫌われ化物扱いをされてきたライナの人間を諦めきれない温かな優しさが表されていると思っている。
思い出補正もあるかもしれないが、やはり文章も読み易くキャラクターのやり取りもテンポ良く一気に世界観に引き込まれてしまった。