
氷うさぎ
@yomiyomi
2025年6月29日

學鐙(がくとう) 2025年夏号
學鐙企画・編集委員会
読み終わった
・宇野常寛 小さな庭から大きな都市を考える
❶
人同士の生態系、殊に承認の生態系が現代社会にあって卓越していることが、事物の生態系の存在感を薄くしている。
したがって、その復権が望まれるが、個々が事物を提示する際にそのセレクトに偏りが生じるのは致し方ない(ポジティブに言うならば、そのセレクトの偏りが人を惹きつける魅力となっていよう)。
だから、個々のセレクト・提示を合計することでバランスを取る町づくりと言うアイディアが浮かんでくる。
大体こういう主旨だと思う。
身近な例だと、ラーメン激戦区などを思い浮かべれば良いのではないか。『大都市はどうやってできるのか』(ちくまプリマー新書)なども思い出される。
❷
さて、私は『仕事文脈』と言う雑誌でこのreadsと言うSNSを昨日知って使っているところなのだが、上記の宇野の視点からしても非常に上手に作られていると感じられ感心している。
何より書物を起点にする事で、人(承認)ではなく事物が先に立ち現れる仕組みが素晴らしい。
Instagramもそのように捉えられるかもしれないが、あれの欠点の一つは事物(パフォーマンスや提示物)が凄すぎて、一般人が投稿する動機が削がれることだろうと思う。私自身も見る専だ。
読書は一般人でも参入しやすいから、その意味でもreadsはInstagramの欠点が克服されていると思う。
そして、一般人が参入しやすいと言う事は、書籍が幅広く提示されると言うことで、比喩的に言えば、町づくりが行われていると言うふうにも解せよう。これは事物の偏りがバランスされるような仕組みだと言うことができる。
❸
このようにreadsは小さな庭と大きな都市と言う2つの性質を兼ね備えた優れた仕組みだが、readsがいつまで続くかは、治安を維持できるか、利用者が面白いと思い続けられるかにかかっていると思う。
治安については、投稿の起点が書籍になっていて、感情を起点にできないので、炎上が起こりにくく良い客層を維持する仕組みになっていると思う。
面白さについては、私自身が継続してみないとわからない。今は、昨日始めたばかりだから、面白がってこのような長文を書いているが。ただ、このように工夫されたSNSは続いて欲しいなとは思う。
