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氷うさぎ
氷うさぎ
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@yomiyomi
音声入力で変換が所々変になっています。 小説は読みません。
  • 2025年11月23日
    人間の条件
    人間の条件
    「共通世界という条件のもとでリアリティをまず第一に保証するのは、世界を構成するすべての人間が「共通の本質」をもっていることではない。立場の違いとそこから生じる多様な見方にもかかわらず誰もが常に同一の対象に関わっているという事実こそが、リアリティを保証するのである。」 「物事が一つの側面しか見られず、一定の視角でしか現れなくなったとき、共通世界は終わりを告げる。」 p. 92
  • 2025年11月22日
    プリズン・ブック・クラブーーコリンズ・ベイ刑務所読書会の一年
    ここのところ読書会についての本を何冊か読んでいる。 私自身は読書会については苦手意識が強い。 それに小説も読まないし。 でもこの本で、小説を読むということ、小説について読書会を行うということ、その実り豊かさに気づかされた。 別の本で中高生のたどたどしい読書会の様子を読んだのだが、人前で発言することへの躊躇や、何を言っていいのかわからないという状態だ。 対してこの本の囚人たちが読書会に強く引きつけられているのは、蓄積された人生経験が中高生の比ではないからだろう。刑務所という過酷な人生経験が書物についての語りを深くしている。言いたい事は尽きないだろう。 これが本当の読書、本当の読書会かと思わせられた。 参考にしたいと思う。
  • 2025年11月21日
    読書会入門
    読書会入門
    正しいと思う。 宮台真司が好きそうな話。 ただ、私自身はしんどい読書会しか参加したことがないけど。 そもそも合ってないのかもしれない。 数十回の経験があるとはいえ、義務的だとか身の丈以上の本しか参加してなかったからか? 人の話を聞いて理解が深まった経験もないし。 孤独に本に浸るほうが実り豊かさを実感できる。 人と話すと読書の光が失せる。 私が未熟で間違っているからそう思うのだろう。 読書会に充実を感じる人は人間として優れているのだと思う。 人間の質も人生の質も低いと言われているようで辛いな。 まああっちの人たちはあっちで人生やればいいんだし、こっちはこっちで工夫してやっていくしかない。ダメとて人生捨てれないからな。 なんだか当てつけみたいなことを言っているが、そういう気分なんで。 この本に寄せて言うのは申し訳ない。
  • 2025年10月31日
    コーポレートガバナンス入門
    オーディブルで。 要するに全部エージェンシー問題なのだ。
  • 2025年10月14日
    ねことちよ 3
    ねことちよ 3
    日常系といえばそうだけど、シスターフッドの柔らかな雰囲気に包まれた詩集のような漫画。
  • 2025年10月13日
    中央公論 2025年 11月号
    中央公論 2025年 11月号
    老兵は死なず、ただ調べるのみ ▼秦 郁彦 近代史家としての忍耐力に圧倒された。柳条湖事件の細部を突き止めるのに30年かかったとか。 また、政治化されていない歴史の姿を追求する姿勢に感銘を受けた。 自民党が直面する日本政治の地殻変動 ▼飯尾 潤 人々の生活スタイルの変化を背景に、政治家が主役の後援会政治が機能しにくくなっており、これを挽回するには有権者(党員)が主役の参加型政治を取り入れるしかなく、納得の機会を与えながら政策としての実現可能性を図るという政治家本来の仕事に立ち戻らなければ自民党に未来はないという話。 それって解党しろと言っているようなものでは… 「日本人ファースト」を法哲学で考える ▼安藤 馨 道徳の源泉として偏向性の原理(君が特別なんだ)と不偏性の原理(怪我人に知り合いも他人もない)があり、実は不偏的道徳は偏向的道徳によってこそ効率よく実現されるという。人間が全知全能ではないということから、その結論が出てくる。 文章が少し読みにくかったが、読めばこれ以外には考えられないような強力な理屈だと思った。 継続調査で見えたナショナリズムの4類型 ▼田辺俊介 ゲルナーによるナショナリズムの定義「政治的な単位と、文化的あるいは民族的な単位を一致させようとする思想や運動」から調査項目が決まっていくのが鮮やかだなと思った。(ただし以下では、愛国と民族的プライドを分けずに記す) ・排外傾向は愛国傾向ほど強くない。愛国指標として科学とスポーツが挙げられているが、それらに対する誇りは圧倒的だ。 個人的には愛国は、そういうスゴイことばかりでなく、たとえば正規と非正規の分断を憂うようなところにあってほしいと思うが。そこにむしろナショナリズムの枯渇を見る向きもあろう。 ・愛国心教育への賛成はやや低めだが、国旗国歌への賛成は高い。心には踏み込んでほしくないが、わかりやすい象徴には抵抗感がないということだろうか。 ・反中反韓は尖閣がきっかけ。領土問題は強い反応を引き起こし、持続する。 ・アメリカ人に対する反対は低い。米兵の暴行問題はどこに行ったのだろう?実害が制度的に保証されているわけだが、人より領土? ・外国人犯罪は減少し、社会保障はむしろ外国人に支えられている。生産年齢人口も若いし(だから高齢化社会の先延ばしではあるのかも)。 しかし外国人が治安と社会保障に悪影響を及ぼしているという認識が一定程度広がりを見せている。 日本政府による再分配政策失敗の積み重なりへの不満が外国人に向かっているという解釈はよく聞くところだ。 もしそうであるならば、外国人政策に関して説明が不足していることは正しいとしても、この誤認は日本人にも外国人にも益をもたらさないことになる。 ・血統や出生など変更不可能な要素へのこだわりは今のところ高いわけではなく、日本国籍と日本語が日本人としての重要な指標と感じられているようだが、混血が進めばまた違ってくるかもしれないなと思った。
  • 2025年9月21日
    DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2025年9月号 [雑誌]特集「戦略的に休む」 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
    「世界標準の経営理論」 要するに、営利企業は営利が目的なのだから皆がそれを熱心に追求するようにしなければならず、加えて、部下は千差万別の人間なのだからちゃんと人間らしく対応しなければならない、ということだろう。 そりゃそうだ。
  • 2025年9月15日
    スレイヤーズ 1
    スレイヤーズ 1
    「術者がユメ見てうなされるような術は、決して使ってはいけないのだ。」
  • 2025年9月14日
    大坊珈琲店のマニュアル
    「パソコンやスマホに集中していて、場に無関心な時、そこの空気は死んでしまう。」
  • 2025年9月10日
    人間の条件
    人間の条件
    仙丹を練って呑み込むがごときは「不死」への努力だろう。オリンポスの神々の如き不死者は人間の兄貴分であって、弟は努力することしかできない。  対して「永遠」は人間の努力の対象にはなり得ない。波打ち際に立ったとき、寄せては引いていく波に対して「地球終わるまでやってるんかな?」という感想を私は抱くのだが、こういうのは「観照」に属することであろう。ここには努力の対象とすべき兄貴分が存在しない。
  • 2025年9月10日
    税金で買った本(13)
    税金で買った本(13)
    ビブリオバトルって、言葉だけは知っていたけど、こういうことなのね。キャラとともに追体験させてくれたのでイメージがよく掴めた。すごく合理的だと思う。  今まで、知のインフラとしての図書館という捉え方について、その内実は何なのだろうと疑問だったのだが、この問いに対する回答として、書籍の内容自体をフル活用するビブリオバトルはかなり理想的な考え方の1つではないかと思った。  もちろん調べ物や文献調査という答えもあろうが、そのような1人での行為を複数人での協働にまで展開させ得る発想が秀逸だと思った。  図書館の本が片っ端からビブリオバトられたら人も本も文化も活きてきそうだ。
  • 2025年8月23日
    写真にみる日本図書館史
    読書の時間は、周りから切り離されて「ここではない世界」と繋がることができる。 「今だけここだけ」ではないあり方は人間らしさの1つの表れのような気がする。 本書収録写真の、学校図書館や家庭文庫の子供たち、パーマを当てながら雑誌を読む女性たち、戦時下で休み時間に露天文庫に集まる大人たち、本棚を眺める受刑者、勉強している国会議員、こういった写真を眺めていると、「今だけここだけ」ではない世界とつながれるから人間は正気でいられるし、人間性を確保できるのではないかと感じた。
  • 2025年8月19日
    どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる(1)
    「あのな コミュ障じゃなくても人間関係が苦手ってのはあるんだよ 一時的なコミュニケーションと社会的なコミュニティに属することは別だろ」
  • 2025年8月17日
    悪魔も踏むを恐れるところ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)
    『天使も踏むを畏れるところ』というのが人気らしいので、全く関係ないけれどもこれを挙げとこう。 3巻完結なのが残念でならないが、とぼけた感じが延々続くのが楽しい漫画。
  • 2025年8月17日
    図書館をつくる
    図書館をつくる
    「これ(書架)を見て既製品でもいいと思ったし、逆に、既製品の機能性が高いことに気がついた。意外にいいじゃないかと。」 「つくり込みすぎたものより優れた既製品がいいと、ここに行って思った。」 既製品が流通するのはそれなりの機能性を備えているから、という視点が新鮮だった。もちろん安かろう悪かろうもあるけれども。 あと、書架下部を本で埋めないで開けておくと冷暖房が効率よく回るというのが面白いtips。
  • 2025年8月17日
    つくる図書館をつくる
    つくる図書館をつくる
    西洋中世の書写と注釈の文化の指摘。 組織的に書写するということで、文字通り生産の場であった。現代の図書館はどういった行為を促進し生産する場でありうるだろうか? 当時は注釈が学問の大きな部分を占めていた。写本に書き込むということ。怒り余ったらしく本文にバツを書き込んでいる写本があるそうな。えぇ?それ他人も読むんじゃないの?でも、書き込むという知の生産様式があったということで、現代における図書館本への書き込み禁止がいつの時代にも当てはまるわけではないということ。
  • 2025年8月14日
    アステイオン102
    アステイオン102
    「インドが描く世界秩序」(長尾 賢)を読んで ・反イスラムということがインドを規定する大きな要素であり、このことはイスラエルとの友好関係につながる。 ・軍事協定を結んでいたソ連が崩壊し、武器供給が停止した経験から大国依存への警戒心が育まれ、現在の多極化外交につながっている。 ・大国依存への警戒心がアメリカへの接近を抑えている。そして、アメリカと間接的につながるために日本との関係が重視され得る。これは東南アジアも似た事情だと思う(「(東南アジア諸国で)「誰を信頼しているか」という問いに対して、さまざまな部門のエリートたちが第1位に選んだのは日本で、アメリカは第2位、欧州連合(EU)が3位、中国は大きく離れた4位だった」(「東南アジアの選択――なぜ中国に傾斜しているか」(『フォーリン・アフェアーズ』2025年8月号))) ・それゆえ日本は、アメリカへの警戒心を持つ国に対しての緩衝材と接着剤となり得るような位置にある。
  • 2025年8月11日
    フォーリン・アフェアーズ・リポート 2025年8月号
    フォーリン・アフェアーズ・リポート 2025年8月号
    米中関係、権威主義と民主主義、やはりこの辺りが主要トピックであるが、まずは環境犯罪から。 ・「木材資源と非合法マネー ―― 国際犯罪組織による森林伐採」p. 96より  違法伐採は木材の不公正な価格を形成する。その結果、公正な業者が損をする。  違法伐採の一つの大きな背景は中国による紫檀(ローズウッド)の需要だ。中国は、国内では厳しい伐採制限が課されているために輸入が盛んである。その産地では違法伐採の占める割合が大きくなっているが、北京は非合法組織とのかかわりを否定している。否定しているが、積極的な解決に乗り出さず、公正性への妨害になっている状況だ。    ・「インドの大国幻想――多極世界のポテンシャルと限界」p. 56より  インドは植民地支配の歴史から、世界が一極集中・二極集中するのを嫌う。ゆえに全方位外交を好むし、多極化世界における亀裂からの受益を狙うリアリストである。しかしこの姿勢はインドに益をもたらさないという。それは中国の勢いが圧倒的だからだ。  「中国のGDPは…15回も2桁台の成長を達成している。インドはそのようなGDP成長を記録したことはない」「中国の本当のライバルになるには、今後25年にわたって、インドが年8%で安定的に成長する一方、中国の成長率が2%にとどまる必要がある。これは現実的ではない」。  そして、今後、米中二極構造の出現が不可避であることを考えると、「中国を抑え込む、対抗バランスの形成には、インドは外国の大国と包括的に協力する必要がある。ここでの最有力候補は依然としてアメリカだろう。」  ただ、現状、トランプもモディも取引的外交を好むために価値観による結びつきが期待できなくなっている。アメリカの場合は福音派の影響が言われるが、インドの場合はヒンドゥーナショナリズムが背景となっており、友好関係の土台となり得る民主主義的理念が損なわれている状況である。もちろん「価値の共有よりも原則の共有」という考え方もある。しかし言うは易しで、例えばアメリカのイスラエル加担に誰が「原則」を見出せるだろうか。    ・「東南アジアの選択――なぜ中国に傾斜しているか」p. 72より  インドが中国と対立し、アメリカから距離を取っていることとは逆に、東南アジア諸国の姿勢は多様である。  フィリピンは中国との領海問題を抱えているがゆえにアメリカ寄りであることはわかりやすい。  反対にアメリカ忌避の例として、「インドネシアやマレーシアなど、東南アジアでもイスラム教徒が人口の大多数を占める国は、ガザ戦争をめぐってアメリカがイスラエルを支持していることに対する怒りから、アメリカから距離を置き、アメリカが唱える「ルールに基づく国際秩序」にも疑問を抱くようになった」。  中国の魅力の増大には「中国をイデオロギー的な脅威としてではなく、経済的機会をもたらしてくれる相手とみなすようになった」という事情が大きい。例としてインドネシアを挙げると、元々は反中反共意識が強く、「1960年代には中国系市民や共産主義者とみなされた人々が虐殺される事件もあった」が、「中国との合同軍事演習にも参加し、中国系市民を国内問題のスケープゴートにするやり方も回避されるようになった」。それも中国が提供する経済的機会ゆえである。  中国の魅力はもう一つあって、フン・セン率いるカンボジアのような権威主義体制にとって、「中国なら数多くの支援を得られるし、批判されることはほとんどない」。日本の「国体護持」のように、権威主義体制にとって体制保障は至高の目標であり、そして中国は権威主義体制を保障することに躊躇がなく、このことが魅力の源泉となっている。  これら様々な理由から東南アジアは全体として中国に傾斜している状況である。ただ、「「誰を信頼しているか」という問いに対して、さまざまな部門のエリートたちが第1位に選んだのは日本で、アメリカは第2位、欧州連合(EU)が3位、中国は大きく離れた4位だった」。もちろんそのことだけで中国への傾斜が解消されるわけはなく、目下の問題で言えば、トランプ関税の圧迫が東南アジアの中国傾斜を後押しする要因になっている。    ・「新しい世界の創造へ――もう過去には戻れない」p. 18より  トランプ関税を受けて「習近平は米関税策に大きなショックを受けていた東南アジア諸国を訪問し、緊密なパートナーシップを約束し、中国を国際秩序の擁護者として位置づけ」ている。  一方で米企業はサプライチェーンの脱中国化を目指してきたわけだが、そのさなかに「米政府はアジアの同盟国やパートナーにこのような関税策をとった」。「これらの同盟国が中国と似たようなレベルの関税に直面すれば、中国以外の国に米企業が製造拠点を分散させる、「チャイナ・プラス・ワン」という企業戦略は実現不可能になる」。  関税だけが問題なのではない。「AIチップの輸出規制に関するバイデン政権の政策を取り消したことで、優れた技術がライバルの手にわたりやすくなる可能性がある。さらに、トランプ政権がクリーンエネルギー技術投資に背を向けているために、中国がこの分野を支配するかもしれない。教育や基礎研究への予算削減も、アメリカの長期的な競争力を全体的に低下させるだろう」。全般にトランプによる華麗なオウンゴールという印象が拭い難い。  このようにアメリカが中国を利する一方、諸国は「(トランプが)国内における民主的規範や制度を攻撃しているだけに、ワシントンがどの国を敵対国や同盟国とみなし、なぜそう判断するか、いまや、わからなくなってきている」。結果、世界が流動化し(誰が為の流動化?)、「次期政権は、第二次世界大戦後、政策立案者たちが経験したことのない、壮大な「戦略的白紙」に近いものを受け継ぐことになる」。それはポジティブに捉えれば、「トランプ・チームがあらゆる政策の前提や慣例を取り払ったことで、次に誰が指導者になるにせよ、次期大統領は、より多くの選択肢を利用できるはずだ」ということになるが…。    ・「トランプは皇帝なのか――独裁を阻む抑制と均衡の再確立を」p. 32より  ネガティブに捉えれば、「トランプが大統領の説明責任を完全に断ち切ったために、次期大統領が法律を尊重し、憲法を順守するかは、いまやその人物の個人的な問題となっている」。そして、「大統領権限の抑制機能を議会が果たせなければ、今後も、米外交政策は新たに選出される大統領の気まぐれに全面的に左右されるだろう」。  当論考はこの状況を「数十年をかけて蓄積されてきた」帰結として描いている。  「現在の危機と最も関係が深いのは2001年の米同時多発テロ後における大統領権限の拡大、そして、イラク戦争と2008年金融危機という二つの失敗について指導者が説明責任を果たさなかったことだ」。これは議会が役目を果たさなかったことから来ており、その理由には「「テロとの戦い」の邪魔をしているとみなされることを恐れた」こと、「グローバル金融危機が、テロとの戦いの結果を検証する政治的エネルギーを奪い取っ」たことが挙げられている。  近年では、米議会は「連邦議事堂襲撃事件を扇動したことについてのトランプの弾劾裁判で、上院はトランプに対する弾劾で無罪判決を示した」。これは、共和党から造反者が出ず、「議会共和党はトランプを抑制する役割を事実上放棄した」ためだ。さらには最高裁も「「大統領在任中の公務に関する免責特権を認める」という判断を下し、実質的免罪符をトランプに与えてしまった」。「この判決によって、2020年大統領選の結果を無効化しようとした「ストップ・ザ・スティール」運動、連邦議事堂襲撃事件で果たした彼の役割も訴追対象とはされなくなった。それだけではない。トランプがアメリカの法律や憲法に違反しても、責任を問われる可能性はほとんどなくなっている」。  この状況を是正するためには、「違法で非倫理的で違憲的な行為に関与した者」を裁判所や公聴会の場に立たせる必要があるとのこと。また、「説明責任を問う制度とメカニズムを復活させ、補強しなければなら」ず、「議会は、自動的に発動される監視と説明責任の制度を構築して自律化することで、「大統領を抑制すべきかどうかという政治的選択」をする状況をなくさなければならない」。具体的には、議会への報告義務の拡大、高官級公聴会の制度化、また、「「議会が政策について質問をし、大統領がそれに答えなければ政治的代償を払わされる」という政治的な流れを復活させなければならない」。    今月号を読んで考えさせられたのはやはり民主主義ということである。  権威主義体制は、声を封じることに腐心する。逆に考えれば、民主主義とは声が開放されていることであり、他の声を受けてそれを封じたり無視することではなく、納得させようとする営みであると思う。そして、このような営みを取り入れることのメリットは、納得を求めて練り上げられた言説には力強さが宿るであろうということだ。「説明は遠慮いたします」を許していては、貧弱な言説が社会を変えてしまうことになりかねない。  ここで思い出したのは『世界』2025年6月号、「学術会議解体法案は、日本の科学の死だ」(山極壽一)である。  「(菅政権、)岸田政権、石破政権でも任命拒否の理由は説明されず、「終わったこと」の一言で片づけています。この件を不問に付したまま、日本学術会議の現在の体制あるいは会員の推薦というプロセスが間違いで、それを変えなければいけないと論点をすり替え、任命拒否の事態を覆い隠そうとしている」。こういうのを逆ギレというのであろう。これに対しては先の論考の「説明責任を問う制度とメカニズムを復活させ、補強しなければならない」という言葉が当てはまろう。  会員外の、選定助言委員会、候補者選考委員会、運営助言委員会、財務監査だけでなく業務監査も行う監事が学術会議に送り込まれ、現在の会員、連携会員、幹事会を解体し、自律性を奪う。そうすると、自律的であることからくる他国からの信用が失墜する。どうも政府効率化省が米政府を弱体化させたとか、軍の政治化による弱体化とかいったことが想起される。強硬性は強者の風格なのかもしれないが、それが堂々たるオウンゴールだったとしたら目も当てられない。  そのような失敗を避けるためにも、他者の声に真摯に取り組み、言説を強化していくこと、つまりは民主主義の実践とそのメリットの享受が求められるだろうと思う。
  • 2025年8月11日
    ぼっち・ざ・ろっく!外伝 廣井きくりの深酒日記 3
    これほど「誰やねんお前ぇ!?」とツッコミたくなるキャラもいまい(p. 92)
  • 2025年8月7日
    和漢朗詠集 現代語訳付き
    落花126 落花不語空辞樹 流水無心自入池 新古今140 恨みずや憂き世を花のいとひつつさそふ風あらばと思ひけるをば
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