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氷うさぎ
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@yomiyomi
音声入力で変換が所々変になっています。
  • 2025年7月2日
    草枕
    草枕
    「強いて説明せよと云わるるならば、余が心はただ春と共に動いていると云いたい。あらゆる春の色、春の風、春の物、春の声を打って、固めて、仙丹に練り上げて、それを蓬莱の霊液に溶いて、桃源の日で蒸発せしめた精気が、知らぬ間に毛孔から染み込んで、心が知覚せぬうちに飽和されてしまったと云いたい。」
  • 2025年7月1日
    草枕
    草枕
    久しぶりにAudibleで聞いた。1の部を。 他を指し示す記号としてではなく、言葉自身の物質性が前面に出てきているといった趣きである。いや、もっと正確に言うなら、物質性が前面に出っぱなしと言うわけではなくて、シラフに戻ったかのように言語が記号的に使用されたりする。多分この往復運動によるリズムがこの作品をユニークなものにしているのではないかな。比べると、例えば、古典和歌は決してシラフに戻ったりせず、あくまで言葉は言葉の世界に閉ざされていよう(『凍れる美学』という本に詳しいのではないか?昨日買ったので読み進めるのが楽しみだ)。 酔わせる言葉とシラフの言葉(signifiéとしての言葉とsignifiantとしての言葉、みたいにも言える?)が代わる代わる脳天に注ぎ込まれ、その往復運動に振り回される感覚が愉快過ぎる。 あと、ふと思ったのは、最後の主人公の絵の完成は、作品全体の中で見ると多分に倒錯的なものが含まれているのではないかということだ。文豪が批評に値しない締めをするわけがなかろうとも思った。AIに調べさせたら、やはりそれに類するような解釈がいろいろ出てきた。
  • 2025年6月30日
    新古今和歌集 上
    久しぶりにページを繰れば、浮世離れしたような言葉の連なりが飛び込んできて、ますます憂き世が厭われることだなと思った。 行末を誰しのべとて夕風に契りかおかむ宿のたちばな 庭の面は月もらぬまでになりにけり 梢に夏の蔭茂りつつ 我が宿のそともに立てる楢の葉の茂みに涼む夏は来にけり
  • 2025年6月29日
    中央公論 2025年 7月号
    「ルポ 日本見限るベトナム人技能実習生」 韓国と台湾が日本以上の少子高齢化社会となっており、それぞれ人手不足から外国人労働者を受け入れている。 日韓台による外国人人材の争奪戦の様相を提しており、通貨が弱く、手取りが低く、言語(文字)が難しい日本はベトナム人からは嫌厭されがちで、今はインドネシアからの受け入れが増加しつつあるらしい。日本への人材供給がより貧しい国にシフトしていくということで、わずかながらアフリカからの人材も認められるという。 韓国台湾との人材獲得競争の行方がどうなるかはわからないが、日韓台にとって外国人受け入れが長期トレンドだとは言えるだろう。外国人人材の受け入れ動向を3カ国セットで見ていく視点がますます必要になってくるだろうと思う。
  • 2025年6月29日
    世界 2025年7月号
    「市民的エネルギー管理の可能性」 誰の声が聴かれるべき声として認められるか、あるいは認められないか、人はその境界線を策定したがるが、その境界線を拡張し続ける実践こそが「市民的」の実質なのであって、市民的という名を冠せば自動的に市民的となるわけではない。
  • 2025年6月29日
    異世界ではじめる二拠点生活 5 〜空間魔法で王都と田舎をいったりきたり〜
    新刊出たので、一巻から読み直した。 庇護されるべき子どもがちゃんと庇護されて幸せに生きているのを見るのが私はすごく好きだ。自分も幸せな気持ちになれる。 本作のニーナがそれである。ニーナの造形は多分に理想化された子どものそれであるが、それがゆえに作品の優しい雰囲気が増してもいる。 絵が上手いのも嬉しい。 上手い漫画はおじさんの頬骨がちゃんと描かれるし、背景が直線的ではない(もちろん直線もあるが、使い分けの意識が行き届いている)。 本作ほどでなくてもいいけど、コミカライズ漫画は一定の漫画力を持った人に依頼すべきだし、そうでないと小説原作者にも失礼だ。紋切りな作品も多いけど、だからといって下手なコミカライズで消耗品扱いされてるのは気の毒だ。 最後に超無粋なことを言うと、本巻はフランス・イタリアっぽい背景が頻出するので経費でヨーロッパ取材旅行とかしたのかな羨ましいなぁとか思ってしまった。いや、わからんけどね。
  • 2025年6月29日
    學鐙(がくとう) 2025年夏号
    學鐙(がくとう) 2025年夏号
    ・宇野常寛 小さな庭から大きな都市を考える ❶ 人同士の生態系、殊に承認の生態系が現代社会にあって卓越していることが、事物の生態系の存在感を薄くしている。 したがって、その復権が望まれるが、個々が事物を提示する際にそのセレクトに偏りが生じるのは致し方ない(ポジティブに言うならば、そのセレクトの偏りが人を惹きつける魅力となっていよう)。 だから、個々のセレクト・提示を合計することでバランスを取る町づくりと言うアイディアが浮かんでくる。 大体こういう主旨だと思う。 身近な例だと、ラーメン激戦区などを思い浮かべれば良いのではないか。『大都市はどうやってできるのか』(ちくまプリマー新書)なども思い出される。 ❷ さて、私は『仕事文脈』と言う雑誌でこのreadsと言うSNSを昨日知って使っているところなのだが、上記の宇野の視点からしても非常に上手に作られていると感じられ感心している。 何より書物を起点にする事で、人(承認)ではなく事物が先に立ち現れる仕組みが素晴らしい。 Instagramもそのように捉えられるかもしれないが、あれの欠点の一つは事物(パフォーマンスや提示物)が凄すぎて、一般人が投稿する動機が削がれることだろうと思う。私自身も見る専だ。 読書は一般人でも参入しやすいから、その意味でもreadsはInstagramの欠点が克服されていると思う。 そして、一般人が参入しやすいと言う事は、書籍が幅広く提示されると言うことで、比喩的に言えば、町づくりが行われていると言うふうにも解せよう。これは事物の偏りがバランスされるような仕組みだと言うことができる。 ❸ このようにreadsは小さな庭と大きな都市と言う2つの性質を兼ね備えた優れた仕組みだが、readsがいつまで続くかは、治安を維持できるか、利用者が面白いと思い続けられるかにかかっていると思う。 治安については、投稿の起点が書籍になっていて、感情を起点にできないので、炎上が起こりにくく良い客層を維持する仕組みになっていると思う。 面白さについては、私自身が継続してみないとわからない。今は、昨日始めたばかりだから、面白がってこのような長文を書いているが。ただ、このように工夫されたSNSは続いて欲しいなとは思う。
  • 2025年6月28日
    世界 2025年7月号
    ・雑談が人を救うこともある 本題から離れられるということが人をリラックスさせ元気にさせるということだと思う。重大な本題というのはたいてい人を押し潰すものだから。 ・研究不正の蔓延 不正を助長するような対応はチャレンジャー号事件を想起させる。 ・ アジアとアメリカのあいだ アルゼンチンの軍事政権の所業が悪魔的すぎておののく。そしてそれに対する現代の修正主義。いつも不思議に思うが、悪魔を擁護してその子孫を名乗るより、切り捨てて生まれ変わりをアピールする方が合理的ではないか。 ・拘禁刑で刑務所はどうなる──刑務官は変われるか 副題にあるように、組織の運営思想が変化した時、それを実現化するのは現場の人間である。現場の人間がその変化に追いつけないと、理念は絵に描いた餅となる。この事は、現場教員のキャパシティーを超えた教育改革は現場を圧迫するだけだと言うことを思い起こさせる。 ただ方向性は間違っていないと思う。今まで、出所後の就労が半年ほどで退職による破綻を迎えることが多かった。そして雇主側からすると、労働者としての規律尊重の姿勢が欠けていることが理由として挙げられていることを考えると、懲役生活での規律尊重生活が出所後の生活に全然生かされていないに等しい。この状況は誰も幸せにしていないので、今回の拘禁刑の方向性を実質のあるものにする事は社会的にも期待されるところであろう。
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