やた
@Yatax
「正欲」のあの容赦なさを求めて読んだら本当に容赦なかった!
螺旋プロジェクトという企画で、海山伝説という伝承をモチーフに描くということで全然中身が想像できなかったけど、とにかくタイトルに惹かれて次はこれだ、と手に取った。
やるべきことをスケジュール通りにこなせば、数日後にはそれをクリアした自分になれている。でもその先に何があるんだろう、と不安になる友里子の気持ちはわかる。
そして彼女が出会う雄介は目を覚さない"親友"のもとに足しげく通う好青年で、「絶対」という言葉を使って、というところで(こうやって生きがいを持てば未来は明るくなるよね、みたいな話ではさすがにないんだろうな)と思っていたら…!!いや〜構成が上手い。
雄介という人間が、すっごく他人に迷惑をかけているか、他人を不快にさせているか、絶対に関わりたくないかと言われればそうでもない、という解像度の高さがまたお見事。
競争をやめたことで対立が生まれてしまう、というのもなるほど確かに、と感じた。亜矢奈が話していた「女子はすぐ対立させたがりがち」というのもめちゃくちゃ頷ける。
そして智也が感じているように、雄介のことを呆れたり見下したりできる自分なのか?と考える。
自分が求めているのも死にがいなのかもしれないなぁ。