
ユメ
@yumeticmode
2025年6月18日

虹の谷のアン
モンゴメリ,
村岡花子
読み終わった
感想
再読
個性豊かな炉辺荘と牧師館の子どもたちのことが、読み始めるとたちまち好きになる。自然豊かな美しい虹の谷で気の合う仲間と遊ぶ彼らは格別に楽しそうで、子どもの頃読んだときには彼らと友達になりたいと切望したことを思い出した。
炉辺荘の子どもたちも牧師館の子どもたちも、それぞれの性格や趣味を尊重するということを幼いながらに確立していて、そんな彼らの関係性が素敵だなと思う。アンを筆頭に、スーザンやミス・コーネリア、ローズマリーといった子どもを見守る大人たちが、きちんと子どもの声に耳を傾けるところもいい。内気なユナが勇気を振り絞ってミス・コーネリアとローズマリーの元へ直談判に行く二つのシーンには、胸を打たれた。
そして、虹の谷でウォルターが「笛吹き」の予言をするラストシーン。情趣溢れる虹の谷で、詩人の魂を持つウォルターが高らかに語る言葉は美しく、それでいて予言の指す現実のなんと残酷なことか。初めて『虹の谷のアン』そして続く『アンの娘リラ』を読んだときから、感情を激しく揺さぶられて決して忘れられないシーンだ。

