みなも "私のものではない国で" 2025年7月11日

みなも
@minamo_books
2025年7月11日
私のものではない国で
「私はよい外国人?」の編の中で紹介されている、ニケシュ・シュクラ『よい移民 現代イギリスを生きる21人の物語』の一部。 人権を踏みにじる発言が平気で飛び交っている今のこの日本の現状が本当にいやだ。 "私が可能な限り勤勉で感じのいい人間になるだけでは、同級生の黒人観を変えられない(……)私は、彼らが考える法則を証明する例外になっただけだった。私がこのことを認識したのは、ある友人とパブで食事を取っていた時だった。彼は突然、移民に対してびっくりするような暴言を吐きはじめ、私が、自分や自分の両親も彼が侮辱している人びとと全く変わらないと指摘すると、彼は「僕は君のことを移民とは見てないよ、ムサ。君のことは友人だと思っている」と言った。" (温又柔『私のものではない国で』p.164) "本書に収められた、美しく、力強く、毅然としたエッセイをお楽しみいただく前に、本書のタイトルについて手短に触れておきます。(......)この国で有色人が負わされている最大の重荷は、私たちがポピュラー・カルチャーで活躍したり、競技会で勝利したり、おいしいケーキを焼いたり、良心的な医者になったりすることで、人びとの意識の中の一線を越えて「よい移民」になるまで、社会は私たちを「わるい移民」――仕事泥棒、福祉手当にたかるやつら、ガールフレンドを盗む連中、難民――とみなしてくることである (......)私たちはその重荷を背負うことに、もううんざりしているのです。" (同p.165)
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