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@kyri
2025年7月11日

愛と死、そして生活
マルグリット・デュラス,
田中倫郎
まだ読んでる
@ カフェ
「乱雑さを解決できない女、家庭内のちらかりと呼ばれているもので家がいっぱいになる問題を解決できない女もたくさんいるわね。そういう女性は、家のかたづけという信じがたいほどの難問を、自分がどうしても克服できないことは知っているのよ。でも知っていようがいまいが、どうにもなることじゃない。そういう女性たちは、家の部屋から部屋へとちらかりを運んで移動させ、それを地下の倉だとか、閉め切った部屋だとか、トランクのなかや、箪笥のなかにおし隠し、そうすることで、自分自身の家のなかに錠のかかった場所を作り出し、それを家族の前ですら、威厳の失墜を招かずに開けることももはやできなくなってしまう。お人よしで素朴で、乱雑さの問題を「あとに」ひき延ばして解決できると思っている女性も大勢いるけど、彼女たちが「あとに」と呼んでいるような時間は存在しないし、今後も絶対ありっこないのを知らないのね」(pp.82-83)


