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@usastreet
2024年5月3日

全体主義の克服
マルクス・ガブリエル,
中島隆博
読み終わった
放送大学
放送大学 参考文献
対談形式なので読みやすい新書。
古代ギリシアがあまりにも美しすぎたために、イデアを想定せずにはいられなかったというような記述があり、わりと納得させられた。反面、ハイデガーは読むなという発言に関しては、ちょっと疑問を感じる。
確かにナチ加担という事実はあるけれど、彼の思想とどのような関係があり、なぜダメなのかを考えるためには学ぶことは必要だと思う。また、読む方がいいのか悪いのかについて、なんの疑問も持たずマルクス・ガブリエルの意見を鵜呑みにするのも危なすぎるし、それこそ哲学的態度に反する。哲学は、人間が考えることの力とその抑制のせめぎ合いの瞬間にようやくうっすらとヒントが見えてくるものでもあると思うので、読みやすい本は特に、ある程度距離を持って読むのが安全だと感じた。

