
みずほ
@mizuho1104
2025年7月16日

メアリ・シェリー
シャーロット・ゴードン,
小川公代
読み終わった
借りてきた
女権論者であるメアリ・ウルストンクラフトの娘であるメアリ・シェリーの書いた本は、すべて母親から受け継いだ信念に貫かれている。そういったものが出版当時の批評家たちに見過ごされて評価されそのおかげで売り上げができたというのは皮肉だが、今再評価されている。歴史に埋もれた女性をすくい上げ、研究の対象として再注目しようという試み。この本を読むことでそれに立ち会えたことが嬉しい。
それにしても、彼女の人生を追うだけでも波乱の一言に尽きる。十六歳で詩人のパーシー・シェリーと駆け落ちし、数人の子供を授かるもほとんどと死別し、実生活では困窮した女性の援助をするなど小説に織り込んだ思想を実践した。自らは決して裕福ではなかったはずなのに。二百年前の彼女の生き方は、現代の女性たちにも力と勇気を与えてくれるだろう。
私は『フランケンシュタイン』を、ある科学者が引き起こした悲劇としか読んでいなかった。けれど、『メアリ・シェリー』に書かれていた解釈を知った上で読むと、また違った景色が見えてくることだろう。
