
卯木
@ustuginus_readx
2025年7月16日

私が語りはじめた彼は
三浦しをん
読み終わった
「あなたの心に打ち込まれた杭は、いずれ溶けますよ。でもぽっかりと空いた穴はいつまでも残るでしょう。」、「激しい感情は書物と同じだ。どれだけ厚くても、いつか終わりがやってくる。僕はもう、激しさをすべて使いきってしまったから、あとはただ、はじまりも終わりもなく続いていくだけなのだ。すごく長い時間をかけて、死んではまた星を生みだす銀河のように。」
どれほどの経験があればこの境地に辿り着いたのか唸った。薄暗い中で朝に向かうしっとりとした文体が沁みている。