サヤ "優雅なのかどうか、わからない" 2025年7月17日

サヤ
サヤ
@sayaemon
2025年7月17日
優雅なのかどうか、わからない
『火山のふもとで』が素敵だったので手に取った。 舞台が現代且つ、扱う内容も現実的(中年以降の家族関係、仕事、恋愛、介護)なので、感情移入しやすい…かというと然程でもなかったのは、主人公をはじめとする登場人物達が皆社会的、経済的に恵まれており、「理想の暮らしがしたい」の「理想」がとても高いことにあると思う。 高い理想=悪、とするつもりはないけれど、「僕の暮らしを優雅と呼ばないでくれ」は、さすがに無茶があるな…と感じた。 あらゆる理由で日々精神を擦り減らし、生活を切り詰め、最低限の暮らしの現状維持に努めている読者がこれを読んだ時、主人公の孤独に心から寄り添うのは難しい。 「精神的余裕のある(これは社会や家庭のしがらみから離れ、自己中心的に振る舞える、と同義)中高年ファンタジー」として読むならアリかも。 だとしても、ヒロインの魅力がいまいち分からずに終わってしまった感。
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