
um
@__um__g
2025年7月18日

月とアマリリス
町田そのこ
読み終わった
町田そのこさんの長編サスペンス作品。
悲惨な殺人事件を通じて事件の背景に潜む社会問題や人の持つ暗さ弱さに焦点を当てたヒューマストーリー。
記者である主人公が事件を調べる中で過去と対峙し葛藤していく姿や、加害者である被害者である犯人の心情を想像すると、正義とは?正しさとは?と自問自答してしまう。
登場人物達は事件の結末によってそれぞれの場所でそれぞれの道を歩んでいくけれど、過去に苦しみながらそれでも必死に生きていくのだろう。
「ひとはひとで歪むんよ、その歪みをどこまで拒めるかが、自分自身の力」
人は一人で勝手に両足で踏ん張れるような力をつけられる訳ではない。ささやかな幸せや、心の拠り所がその人を形成するのだと、そのことを忘れずに生きていきたい。
