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  • 2025年11月10日
    世界99 下
    世界99 下
    出産、育児、家事、仕事。それらは人の営みの一部だけれど、視点を変えれば誰かの便利道具として都合よく消費されてるようにも捉えられる。また作中では女性が搾取される側として描かれているけれど、性別に関わらず性的搾取される危険性は常に潜んでいる。そんな現代社会、(望んで生まれたわけじゃないのに)死ぬまで続く"地獄"。誰かが何かが代わってくれたらどれだけ良いだろうか、と考えずにはいられない。 人々の感情や思考がある限り分断も差別も搾取も続く。儀式によってリセットされても時が経てばまた生まれてくる。だから"調合"してしまったのではないか。 今、私は、自分の喜怒哀楽(何かに影響されてチューニングした感情かもしれないけれど、自分の感情だと信じてる気持ち)を感じているけれど、起伏を感じずにフラットな世界だったらもっと幸せに暮らせるだろうか。作品の行き着く先は、ディストピアの中に救いを求めた結果かもしれない。 上巻に続いて吐き気がする。しんどい。
  • 2025年11月4日
    傲慢と善良
    傲慢と善良
    無自覚な善良さはある種の傲慢さを孕んでいる。誰かの為にすることは己の「正しさ」が正解だと押し付ける傲慢でしかない。婚約者の失踪の裏に隠された(誰だって経験したことあるだろう)傲慢と善良とが描かれていた作品。 知らない方が幸せなこともあるけれど、知った上でぶつけたり受け止めたりすることも大切だったりする。本作は「結婚」というのが一つのテーマだけれど、人付き合い全般で言えることだと思う。 婚約者への、子への、姉妹への、異性の友人への、あらゆるエゴが入り混じっていて不快さすら感じるけれど、どうも身に覚えがある事が多すぎて、胸の奥深い所に沁みる。
  • 2025年10月27日
    蛍たちの祈り
    蛍たちの祈り
    短編集かと思ったけれど、話毎に時間軸が進みながら語り部が変わっていくひと繋ぎのストーリーだった。 親は子を選べないけれど、子も親を選べない。ましてや、親は子を産むか選べるけれど、子は産まれることを選べない。親達がそれぞれの立場で人生で苦しみながらも必死に生活していることは理解できるけれど、親や大人が少しでも子の苦しみに少しでも寄り添えたら…と思わずにはいられない。 理不尽な悪意の中で生きてきたら誰だって歪むだろうに、苦しい中で小さな希望を見つけられて、それをきっかけに正道が前を向けて良かったと思う。蛍みたいな小さな希望の物語。
  • 2025年10月23日
    世界99 上
    世界99 上
    込み上げる吐き気と闘いながら読んだ一冊。 なんだこの世界は。 周りに合わせて世界を作っていくのは一つの才能だと思うけれど、楽な道を選んだ末に誰かの奴隷になることを選ぶのが果たして正解だったのか。緩やかな自殺を続けてるような気持ちになる。 最後に壮絶な展開を見せたけれど、主人公には希望か絶望か…。下巻が気になる。
  • 2025年10月18日
    時ひらく
    時ひらく
    三越を舞台とした短編小説集。 日本初の百貨店という長い長い歴史のあるテーマだからか、過去と未来を繋ぐお話が多い印象。日本橋だけじゃなくて仙台三越も出てきた。三越、少し前はもっと各地にあったよなぁ。 時代の波に押されて百貨店はどんどん姿を消しているけれど、親から子や孫、その次の世代にも続く文化がこれからも残り続けて欲しい。そんな風に思う一冊だった。
  • 2025年10月12日
    休むヒント。
    休むヒント。
    「休むこと」についてのオムニバスエッセイ。 休む行為について捉え方や定義は難しく、またどう実現するのか?も様々で面白かった。(特に休むことを考えてるのに全然休めていない、というワーカホリックに思える方がとても多いのが逆説的で面白かった…) 色んな立場の方の視点を通じて「休むこと」を見ると、単純に寝たりゆっくりしたり、という所謂身体を休める行為では不十分で、趣味や現実と離れた場所に身を置いたり、逆に好きな仕事をしたりと言った、それぞれの「休息」が何かということに立ち返るのだなぁ。
  • 2025年10月3日
    国宝 上 青春篇
    映画を観たいと思いつつ、なかなかタイミングが掴めないまま数ヶ月…。 * 歌舞伎に魅了され、翻弄される喜久雄。俊介と共に芸を磨いた青春時代は眩しいくらいだ。 血筋よりも芸で選ばれた喜久雄、血筋がありながらも選ばれなかった俊介。その後双方が苦労しながらも互いに芸の道を歩み十年…。白虎亡き後後ろ盾を失った喜久雄がどうしてこんな仕打ちを受けるのか…やはり血なのか…と苦しくなる。何より復帰後万菊の舞台で大抜擢される俊介と、いつまでも丹波屋を背負ってきた喜久雄との落差は、読んでるこちらもなんで…どうして…と言いたくなった。 ここから這い上がる喜久雄が気になる。。
  • 2025年9月18日
    ありか
    ありか
    子供は周りの優しさや愛情を受けて少しずつ成長し、子育てを通じて母親も成長していく。けれど決して1人で育児をしているのではなく、ママ友や親戚、周りの人を頼り支えられながら生きていく。人と人の関わりを通じて成長していく姿が印象的だった。 * 私自身は幼少期の美空の経験に覚えがありすぎたし気持ちが理解できたから、美空の母を毒親と称する描写はとても心が痛んだ。親としてのしんどさ、余裕の無さから身近な子供に当たってしまうことだってある、と大人になってから思うけれど、子供としてはいつまでも棘になって抜けない面もある。美空が母と向き合って、自分の意思で母と一線置けるようになって良かったと思った。きっと自分も母親になったからだろう。 * 颯斗君や義理の両親の優しさは美空に対する申し訳無さも少なからずあるのだろう。不義理を働いた元夫の家族と繋がり続けることは不快感もあるだろうと思うと、彼らの関係性に不思議な気持ちを抱いたのは否定できない。 一方で子供が好きな颯斗君が姪:あかりと過ごす時間に癒されていることや、義理の両親が大切な初孫と会えることへの喜びがよく分かる。また美空も彼らに助けられているし、あかりも彼らのことが大好きなのだと思う。 美空とあかり、そして元夫の家族が助け合い、互いの存在に救われている。元の関係性がどうであれその事実は否定できない。 * シングルマザー、LGBTQ、親子の関係…。色んなテーマを抱えている作品だけど、心の中にすっと入り込んでくる温かさを持つ一冊だった。 美空たちのように、いつか作品を通じて自分の欲しかったもののありかを見つけられますように。
  • 2025年9月11日
    これが生活なのかしらん
    高校を卒業後に就職した美容院での寮生活や仕事の話、友達と三人暮らしをしていた話、一人暮らしの話、恋人との二人暮らしの話…。くすっと笑っちゃうような、幸せを噛み締めるような、辛い気持ちで胸が締め付けられるような、そんな心を優しく撫でるようなエッセイだった。 生活の切り抜き方が独特で面白かった。日常は嬉しいことも、悲しいことも溢れてるなぁ。
  • 2025年8月30日
    今さら聞けない 睡眠の超基本
    情報量多めだけど挿絵や説明が分かり易かった。なかなか寝付けない日も多くてとりあえず目を瞑ってるだけで休まると思っていたけれど、眠れなかったらむしろ布団から出て他のリラックス出来る方法を取る方がいいと知れて良かった。 今度連休とれたら4日間眠れるだけ寝て自分の最適な睡眠時間確認してみたい。
  • 2025年8月19日
    キッチン常夜灯(1)
  • 2025年8月17日
    いなくなくならなくならないで
    死んだと思っていた友達から4年振りに電話がかかってきて、行く場所がないという彼女と一緒に暮らすことになる。最初は嬉しく、だんだん疎ましさを含む違和感が膨らんでいく…。時子が就職を機に実家に戻っても朝日はついてきて、家族にも受け入れられていく様子がとても歪なのに自然に繰り広げられてる。 いなくなってほしくない、いなくなってほしい、いなくなってほしくない……矛盾を繰り返していくところは凄く人間臭く感じるけれど、個人的には時子と朝日と時子の家族にも不快感が拭えなかった。
  • 2025年8月11日
    休養学
    休養学
    健康の三大要素の一つ、休養に焦点を当てた書籍。週末休んでもぐったりしてる、休んだ気がしない、といった社会人でもパフォーマンスを高めるにはどうしたらいいか、ということを休養に焦点を当てて分かりやすくまとめられていた。 攻めの休養、という逆の意味にも聞こえる考え方は私にとって新鮮だったし、ただ休むだけでは100%回復しておらず活動→疲労→休養のサイクルに"活力"を加えることで100%に近いところまで持って行く、というのはとても学びだった。言われてみればただゴロゴロしたりダラダラ寝たりしていても疲れが取れるどころか余計疲れたりする(ゴロゴロ過ごすことで気持ちが楽になることはあるから全く否定したくはないけど)。 週末ゆっくりしたりリフレッシュしても月曜日の朝のしんどさは全然取れないからどうしたものか…と悩んでいたので今出会えて良かった一冊。 休むことは手を抜くことに思えてしまうから仕事も詰め詰めで頑張ってしまうけれど、本書を繰り返し読んで休養が自分の中で当たり前になるようにしたい。
  • 2025年8月9日
    トピーカ・スクール
    トピーカ・スクール
  • 2025年8月8日
    サーキット・スイッチャー
    完全自動運転が普及した日本で巻き起こる、アルゴリズムによる命の選別。技術開発の発展はノーリスクでは起こり得ないが、人の命と天秤にかけた時にどちらを選ぶのか、読み手の倫理観も揺さぶられる…。 The future is in your hands. 本書の話は数年後には現実になるように思う。自分生活、仕事、人間関係、社会、あらゆる所で私達は意思決定し続けなければならない。その責任から目を逸らさずに生きて行くんだ。
  • 2025年7月18日
    月とアマリリス
    月とアマリリス
    町田そのこさんの長編サスペンス作品。 悲惨な殺人事件を通じて事件の背景に潜む社会問題や人の持つ暗さ弱さに焦点を当てたヒューマストーリー。 記者である主人公が事件を調べる中で過去と対峙し葛藤していく姿や、加害者である被害者である犯人の心情を想像すると、正義とは?正しさとは?と自問自答してしまう。 登場人物達は事件の結末によってそれぞれの場所でそれぞれの道を歩んでいくけれど、過去に苦しみながらそれでも必死に生きていくのだろう。 「ひとはひとで歪むんよ、その歪みをどこまで拒めるかが、自分自身の力」 人は一人で勝手に両足で踏ん張れるような力をつけられる訳ではない。ささやかな幸せや、心の拠り所がその人を形成するのだと、そのことを忘れずに生きていきたい。
  • 2025年7月9日
    深夜のラジオっ子
  • 2025年7月5日
    幸福な食卓
    幸福な食卓
    「そんなときは書店にどうぞ」に載っていた短編の元のお話ということで気になって読んだ一冊。 佐和子の家族や周りの人はちょっとヘンだけど、それぞれ切なさや歪みを抱えているところに凄く人間臭さを感じる。本作ではある大きな出来事で家族の形がどんどん変わっていくのだけれど、「家族」という存在は変わらないし自分で思うより周りに支えられて大切にされて生きてるんだ、と伝えてくれるようなお話だった。 * 佐和子の学級委員の話では佐和子と大浦君がお互いを想い、大浦君がどうにかしてあげたいって気持ちが伝わってきて凄く初々しい気持ちになった。二人がずっと幸せに過ごしてほしいな、と思った矢先の別れにどれほど胸が苦しくなったことか。 佐和子が周りの人の思いやりに触れて少しずつ生活を送れるようになる姿や家族との関わりに少し救われるような気持ちになったけれど、続きの話を読み直すと単純に良かったねとは言えない。それでもきっと佐和子や、寛太郎、大浦君の家族は、きっと大丈夫。悲しみは置いても大浦君への想いを抱きながら周りの思いやりに支えられながら、前を向いて歩いていける。 そう思えることが少しだけ救いなのだと思う。
  • 2025年6月9日
    そんなときは書店にどうぞ
    書店と作家さんの関わりや瀬尾まいこさんご自身のお話などについてのエッセイ。 瀬尾さんの作品はまだ数冊しか読めてなくて、でも瀬尾さんの表現、言葉がとても好き。関西のおばちゃん的な言い回しの中に素敵な人柄を感じる。 書店員さんの作るPOPやイベントって愛情が深くて見てるだけでワクワクするのだけど、それにどれだけの労力が費やされてることか。一冊の本のために作家さんだけでなくて色んな仕事が人が関わってるんだなあと改めて思った。最近は忙しいことを理由にネットで買ってしまうことが増えたけれど、書店で新刊出てないかなってドキドキしながら回ったりPOPに惹かれて手に取ったり、そんな出会いを与えてくれる場なんだよなぁと思い出したりした。電子化の流れやコロナの影響もあって、近年書店の数が減ってるけれど、自分が一方的に頂いていたことを当たり前だと思わないでもっと足を運んでいきたい。 * 映画「夜明けのすべて」のことも書かれていて凄く嬉しかった。原作も大好きであっという間に読み終えて、何度も読み返してる一冊が映画化して嬉しかったこと。その作品が、原作と違うところも多いけれど、藤澤さんと山添くんのもう一つの物語だと素直に思えるくらい、原作の人に寄り添ってくれる優しさを持っている素敵な作品だったこと。映画を観終わって少し時間が経った今でも心に残ってること。私の中でとても大切な作品の一つなので、原作者の目線でどのように捉えていたのかを瀬尾さんの文章で読めて嬉しかった。(嬉しかったしか言えない。本当に語彙力無くて恥ずかしい。) * 最後の短編も素敵な作品だった。 「幸福な食卓」の続編だと言う。まだ読めてない作品だから早く読まなくては。「幸福な食卓」を読んでから読んだら、きっとまた違う気持ちにもなれる気がする。
  • 2025年6月1日
    オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る
    オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る
    テクノロジーやAIはあくまで人間の補助ツールであり、人間の代替にはならない。社会を作るのはあくまで人間であって、テクノロジーを活用することで余裕が生まれて専念したい部分に注力できる。そうして誰も置き去りにしない社会を作ることが著者の目指す社会で、台湾での政策やコロナ禍でのマスク在庫管理システム構築の詳細とともに描かれた一冊だった。 仕事の関係で読んだけれど、様々な価値観の人と接することでマジョリティだろうとマイノリティだろうと何を求めてるのかを知ることが大切だと感じた。テクノロジーは発展するけれど、それについていけない人がいるなら使いやすいように変えれば良い。誰も取りこぼさない社会を実現するには技術があれば良いわけではなくて、私達も参加して作り上げていくものなんだ。
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