白川みどり "犬のかたちをしているもの" 2025年2月9日

犬のかたちをしているもの
愛するとは。その問いに対しての、私の結論と主人公 薫の結論はとても近い。セックスに対して、抱いてしまうものも。だから薫に対して感情移入したし、頁をめくりながら一緒に傷付いて、葛藤して悩んで、放り出された。「子供がほしいのと、子供がいる人生がほしいのは、同じことだって思う?」という問いを残して。薫に共感しながら、同時に郁也やミナシロさんの言っていることも分かるな、と思った。分かるなというか、彼らの選択は彼らのものだと受け入れている自分がいたし、彼らの選択に対して納得していた。この小説の容赦のなさに、傷つく人と救われる人がきっと同じだけいるんだろうなと思う。ひりひりとした、本当のこと。
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