
つつつ
@capyandtsubasa
2025年7月23日

可視化される差別
五十嵐彰
読み終わった
差別と排外主義に関するレビュー本。
排外主義に関する実験では、一般的に、内心では排外的態度を持っているが質問紙上では排外的な回答を控える傾向が見られる。日本では逆で、内心では排外的ではないのに質問紙上で排外的態度を表明しようとする結果が得られた。これはつまり日本社会には、排外的にならなければならないという規範があることを意味する。
メディア、SNSなどで著名人や政治家が排外的発言→日本ではそこまで深刻に批判の対象とはなっていない→あたかも日本の大勢の意見かのような錯覚が生まれ、それに合わせた意見表明をしているのではないか。とのこと。p364
このような風土みたいなものはずっと存在していたということか。それが今回の参院選で顕在化したのか。
5章「排外主義の要因」では、参院選での排外主義ムーブにピッタリ当てはまる解説がなされていて、読みながら頷きっぱなしだった。誤情報の修正には排外主義を低下させる効果が認められるが、一度排外主義思想に取り込まれた人は、正確な情報を得るためのたった1クリックの労力も惜しんで情報得ようとしないみたい。
知ること、理解することがいかに大切か。しみじみ感じながら読んだ。





