
ササパンダ
@sasapan
2025年7月24日

山と獣と肉と皮
繁延あづさ
狩猟に興味があり、手に取った。
東京から長崎へ移住してきたことをきっかけに、猟師のおじさんとの出会いから始まり、猿回しを生業としながら犬と狩猟をする中村さん、兵庫姫路で世界で唯一白鞣しをする新田さんとのエピソードが綴られるエッセイ。
普段食肉を加工された状態でしか見たことのないものにとって、ぎょっとしてしまうような写真もあった。だが、そちらの方が自然で、今の私のような生活は不自然なのではと感じられた。
人間は便利に快適に暮らせるように進化してきたけれど、それによって失われてきたものも多い。
便利で快適な表面だけでなく、根源の快不快なものに触れることで感じられることは大きいように思った。
繁延あづささんの著書は初めて読んだが、とても素直な筆致で他の著書も読んでみたい。