
ごんた
@gonta_books
2025年7月26日

読み終わった
1963(昭和38)年発表。ネット通販で1992年発行の文庫を注文したら、写真の通り1963年初版の単行本が届きました。髙村薫の『レディ・ジョーカー』や『晴子情歌』が好きで、ChatGPTで関連する文学作品を検索していたら、この小説を強くすすめられたのが出会いでした。なぜこの世は苦しいのか。いまを生きる私たちの苦しさが、教科書や映画でしか知らない戦後日本の人たちの苦しさと、地下の深いところを流れる水みたいにつながっている気がして、自分が今までどうやって生きてこれたのか、これからどうやって生きていくのかを考えさせられるような、考えるのがこわいような、そんな気持ちになりました。地球にはびこる暴力や倫理の問題を、やや前衛的な文体と構成で綴ったスリリングな読み心地の小説でもありました。

