
読書猫
@bookcat
2025年7月28日

孤独な散歩者の夢想
ジャン・ジャック・ルソー,
永田千奈
読み終わった
(本文抜粋)
“自分について深く考えるのに慣れてくると、私は恨みを忘れ、他人から与えられた不幸についてもその記憶が薄らぐような気がした。こうして、私は自身の経験から、幸福の真の源は自分自身のなかにあり、幸せになりたいと本気で望みさえすれば、他人のせいで不幸になることはないと学んだのである。“
”人間の自由はやりたいことをやることにあるのではない、と私は常々考えてきた。「嫌なことはしない自由」こそが自由である。“
”何もかも実際的な利益ばかりを基準とし、何かといえば楽だの、効能だのを求めたがる人がいる。薬を必要としないときは、あるがままの自然を見ても何の興味を持たない人たちだ。私はこの点に関して、周囲の人間とはまったく正反対の考え方をしている。自分の欲求に結びつく物事は、考えるだけで悲しくなり、荒んだ気持ちになる。“
”誠実な行為に金銭を差しはさむことは、せっかくの好意を下品なものにし、無私無欲な喜びを汚すことになったのではないか。“


