天皇機関説事件や二・二六事件といった史実と、虚構が入り混じるだけでなく陰謀論めいたオカルト要素も織り込んだ物語が、ページをめくる手を止めさせない。途中、主人公の惟佐子を信用していいか読者に謎を残していく見せ方も次の展開への興味をそそる。（※上下巻あわせての感想）