
もん
@_mom_n
2025年8月1日

あなたに安全な人
木村紅美
読み終わった
心に残る一節
@ 自宅
忘れかけていたコロナ禍や震災後の不安感が文章に滲んでいた。わかりやすいハッピーな作品ではないけれど、作品全体の冷ややかで張り詰めた空気がじめっとした熱帯夜には心地よかった。
p.77
いつからか、そんなつもりじゃなかった、と振り払いたくなる出来事ばかりを自分は引き起こし、積み重なり、冬山を転がる雪玉のようにふくれあがり、落ちる速度が増してゆくのを止められない。
p.128
「このまま、けっして、顔は見せあわないで。互いの気配は、ときどき、幽霊がいるのかな、とでもびくっとさせるくらいに漂わせるのが理想です」

