noko "北極男 増補版 冒険家はじめ..." 2025年8月2日

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@nokonoko
2025年8月2日
北極男 増補版 冒険家はじめました
ホッキョクグマのために僕たちができることなんてあるんでしょうか?別にイヌイットが乱獲しているわけでもないですし…。北極の海氷が減って、ホッキョクグマの個体数が減少しても、パンダみたいに動物園で個体を飼育して、希少生物として維持することはできるでしょうが、人間の力で北極グマの生息数を増やすなんてことは無理でしょう。すでに北極海の海氷は減少の一途をたどり始めていて、今後しばらくはこの傾向が続くと思います。何かの自然環境的要因でそれが食い止められれば別ですが、いずれにしろ、人間の力でできることには限界があるでしょう。 (記者…なんだか希望のない話ですね。) 希望うんぬんというより、今起きていることが現実なんですね。おそらくこれから先もホッキョクグマは減っていくでしょう。それが人間の活動によるものなのか、地球規模の自然環境の変化による現象なのか、どちらであっても僕たち人間は、地球に生きる一生物としての「分」みたいなものはわきまえる必要があるとは思います。僕たちは、地下からジャンジャン資源を掘り出して、それを空になるまで燃やし尽くすのがはたして正しい行為かどうかを考える必要があって、ホッキョクグマがかわいそうという感情論に終始すると、かえって考えた気になっただけで終わってしまうような気がします。 僕たち旅をする者は、行く先々で、必ず誰かのお世話になる。言い方を変えれば、必ず誰かに迷惑をかける。それは人間だけに限らず、野生動物や草花に対してもそうだ。いや、旅に限らず、生きるとは、もともとそういうものなのかもしれない。30年前にこの土地を訪れた先輩たちが築いた信頼や友情のおかげで、僕らは今ここにいることができる。誰かの世話になる、頼る、頼られる、迷惑をかける、かけられる…。そういうことを通して、人間関係はできていくのかもしれない。 「探検は知的情熱の肉体的表現である」 「俺が若者たちを北極に連れていったのは、別に冒険家を育てたいわけじゃなかったんだよ。ただ、若い人たちが自分で考えて生きていける力を得てくれればそれでよかったんだ。」(文庫解説より 大場満郎の言葉)
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