
こここ
@continue_reading
2025年8月3日

読み終わった
面白かった。
今まで漠然としか捉えられていなかった「イデア」について、ちょっと整理できたように思う。
イデア論は、今までに慣れ親しんだ見方と異なる知へと至る可能性を信じ、それに賭ける思想である。
「イデアと感覚される事象」は、「範型と像」という関係だという。例えば、あるモデル(範型)とそのモデルの絵(像)という関係。像はどんなに精密でも範型そのものではないということか。
最終章のプラトン哲学がその後どういう風に継承されていくかの話が勉強になった。
「政治や文化に対する人間の営み全体に対する分析的で批判的な思考。それを変革するための道筋を考えようとする知的努力」が、中期から新プラトン主義では失われたという。
そして、ナチスによるプラトンの利用など。ドイツでナチスの勃興以前から、保守主義知識人たちが自国の政治や文化のアイデンティティーを神話・古代ギリシアに求めていたという。
こじつけだけど、最近の選挙での、神話を大事にするどこぞの政党を思い出してちょっとゾッとした。






