
うえの
@uen0
2025年8月3日

八重歯が見たい
すんみ,
チョン・セラン
読み終わった
訳者あとがきに、著者が物語の最後をどう改編したかが記されてるんですが、そこをそういうふうに変えてくれるチョン・セランさん一生好きだわ〜となった。
その性別であるが故に被る暴力や被害や偏見をたしかに描きながら、重さだけでなく軽やかに駆け抜けてゆくような希望とユーモアが胸にのこる。
印象に残った言葉---------
システムがシステム維持のためにしか回ってないことを知ってからは、耐えられなかったですね。放っておけばますますひどくなるのは自明なことでしたし。
役に立つ生命体じゃないかもしれないけど、それなりにおもしろくはあるよなぁ
そんなものになる必要ないと思うけど。誰かの何にもなる必要ないよ。
必ず幸せになるべきだとも思わないで。それは一時的な状態でしかないんだって。みんなその一時的な状態を手にしようとしてもがいてるのよ
確かに、失礼極まりない奴らに公正だなんて、クソくらえです
人類は二十万年も進化しながらも、明らかな悪の部分をどうして取り除くことができなかったのだろう。この陳腐な話からどのようにして抜け出すことができるかについて書く人間として、何度も噛み締めるべき問いだった。
著者あとがき
会ったことのない誰かの口の中で、ポッピングシャワーのようにパチパチと弾けたいという気持ちは、ずっと変わっていません。軽さを恐れなかった時にこそ得ることができる重さを推し量りながら、へこたれずに書き続けていきます。
訳者あとがき
いろいろなところで非常ベルを見かけた。トイレで盗撮についての注意喚起とともに設置されたものや、ズバリ「女性安心ベル」と名付けられたものもあった。その非常ベルを見るたびに、安心する一方、なぜか複雑な気持ちにもなった。私たちの周りには、のんなにもたくさんの危険が潜んでいるのか、と。


