
まいける
@bluesky42195
2025年6月30日

あの夏の正解
早見和真
読み終わった
甲子園への道を失った球児達、指導者と向き合って綴ったノンフィクション。
2020年は特別な年だった。新型コロナ感染で社会が揺れ、一人一人が出口のない状況でもがいていた。
私も、職場で闘っていた。「かわいそうな」年にならないよう必死だった。
星稜高校と済美高校の三年生と指導者たちを巡るノンフィクションは読み進めるほど、胸が熱くなっていった。
早見さんも桐蔭で高橋由伸選手を目の当たりにしていた球児だっただけに、インタビューもぐいぐい内面に迫っていく。
最後の最後に、背負っていたものをおろし、ふっと野球を楽しむことができたという内山壮真(星稜)選手。
山田響(済美)選手は、自分が懸けてきたものに挑戦さえできない辛さを味わったと語る。でも、最後に仲間から、「山田(キャプテン)と高校野球をやり遂げられてよかった。」という言葉をもらう。
この経験を奇跡的な経験ととらえる山田選手は、これからどんな困難も乗り越えられる自信を刻み込む。
そうなのだ。かわいそうなコロナ世代ではない。
きっと他の世代ではできない経験ができた世代でもあるのだ。
思い出したくもなかったコロナ期の自分にも向かい合えるようになってきた。
早見さんのインタビュー力、筆力には脱帽。読み応えがあった!
