
さくら🌸
@lily_sakura_
2025年8月4日

夏鳥たちのとまり木
奥田亜希子
読み終わった
根拠のない大丈夫が人を救うことはあるが、相手に大丈夫だと思い込ませたまま、傷つけられていたことに気付かずに大人にならせてしまうこともある。
「世間から見れば間違いだらけのことに救われる人間もいるってことですよ」という言葉は、間違いは間違いとして認めたうえで、そこには救われたという事実しかないことを表していたような気がする。
「被害者の周りにいた大人はもちろん、被害者がネットに助けを求めるより先に相談したいと思えるような仕組みを作れなかった、すべての大人に罪があると俺は思う」
心が痛かった。私も葉奈子や溝渕のように、傷を自覚させ、彼ら彼女らを信頼して待つという救いをできる大人でありたい。正しい逃げ場でいなければならない。
葉奈子が過去の出来事から現在の出来事に目を向けたときに、信号が3つ先まで青になってるとか、そういう細かい情景描写に登場人物の今後が示唆されてるのが良かった。
