ワタナベサトシ "『百年の孤独』を代わりに読む" 2025年3月7日

『百年の孤独』を代わりに読む
2025年11月28日読了。 2022年の文学フリマで著者ご本人からセールストークを聞いたときはちょうど直前に自分が単行本の『百年の孤独』を読み終わったところで、「自分で読んだばかりだからか代わりに読んでもらう必要はないなぁ」と思ってしまい購入しなかった(後に深く悔やむ)。その後ありがたいことに文庫化されて手に入りやすくなって、新潮文庫『百年の孤独』と同時に購入。いい具合にハードカバー読了時の印象も薄れてきたので、まずは『代わりに』読んでもらったものを読む。 世代が近いのか地域的なものなのか、脱線で挙げられるコンテンツはことごとく知っているし、わかる。数年前とはいえ先に本編を読んでいたのでおおまかな流れや登場人物たちの混濁した感じを思い出しつつ理解することができる。引用は細かく矢継ぎ早やに畳みかけられるが、これたぶんまだ『百年の孤独』を読んでいない人はわけわからんだろうなーと思う。本書『代わりに読む』の副読本がマルケス『百年の孤独』というわけで、この二作は共棲関係にあるわけだ。 noteで公開された初出の日付の推移が興味深い。当初は毎週更新かのごとく順調に書き進められていたものが、「代わりに読むとは、どういう行為なのか」を逡巡するにつれて更新頻度がガクンと落ち、半年にいっぺんくらいの寡黙さになる。文章内容にも迷いというか、試行錯誤の跡が見え始める。表現をブラッシュアップしてゆく過程が記録された章はこびとなっていて、この心情の揺れや迷いや動きが(演出や意図的なものがあるとはいえ)ナイーブでとても良い。 他人に代わりに読んで欲しいかどうかというと決してそうは思わない(自分で読みたい)ので、本書は「誰かがこう読んだ」という以上の重要性はないのだが、再確認のためにもう一度『百年の孤独』を読むことにしたので、販促プロモーション効果は高い。新潮は友田とんさんに足をむけて寝ないこと!
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