
きん
@paraboots
2025年8月5日

猫を処方いたします。
石田祥
猫好きのための、猫にまつわるお話が詰まっている本。
舞台は現代の京都。ちょうど中京区の河原町あたりのところを中心に描かれている。
学生のころ京都に住んでいたので、街並みが頭の中にゆっくり鮮明に描かれてゆくような感じが、とても心地よかった。
作者の石田祥さんの描く猫たちは、表情豊かで想像しやすく、こんな猫だろうなぁって読むうちに思い浮かべやすかった。きっと石田さんは猫好きさんなんだろうなぁなんて勝手に想像すらしてしまう。そして、お家で待っている自分家の猫に思いを馳せながら本書を読み進めていた。
人間でも猫でも、愛情の形はいろいろあるが、愛情と執着って密接だけど違うんだよって教えてもらった箇所がある。
猫にだって小さいなりにもちゃんと自分の世界があるんです。新しい世界に足を踏み出した瞬間から、もう前を向いている。たとえそれがどんなに辛い世界やったとしてもね。掴んだ尻尾を離せへんのは、猫が可哀想やからやない。あなたが寂しいからですよ。でも彼女からは振り解けへん。今でもあなたを愛してるんでね。
このあたり、じっくり考えてみたい。




