
ねむきち
@ss0412
2025年8月5日

殺意の集う夜 (講談社文庫)
西澤保彦
読み終わった
宇垣美里さんのYouTubeで気になって、調べてみたらAmazon unlimitedに入ってる〜!ということで読んでみた!2日間かかったけど、めちゃ面白くて仕事の昼休憩中も読んでた。
宇垣さんもおっしゃってたけど、30年前の小説で、ケータイとか出てこないけど、そんなことが気にならないくらい面白かった!
本当に人がどんどこ死んでいくし、(宇垣さん曰く「景気良く人が死ぬ」笑)
本当に主人公がギャグみたいに6人くらい殺しちゃうし(冒頭にも出てくるのでネタバレではないはず)、
それを悪びれないギャルっぽいマインドの語り口が楽しかった!
同時並行で、街で起こっているいろんな犯罪(コナンの世界か?ってくらい犯罪が多発している)について別の視点人物から語られて、そちらも気になる!と、読んでいて飽きなかった。
以下、気に入った語り(最初の方だけ。だんだんストーリーに引っ張られてハイライトつけるどころじゃなかった)
・馬鹿のふりをしての婉曲な〝脅迫〟、論理のすりかえ、棒高跳び並みの飛躍、泣き落としに開き直りと、相手の反論を封じ込めるためなら、何だってやる。もちろん、不毛な水掛け論合戦なら、あたしだって平均以上に口達者なつもりだが、園子の粘り腰には到底かなわない。
・それはまるで、ロリコンのおじさんがテレクラか何かで偶然知り合った極上の美少女中学生に奴隷の如く卑屈にかしずく一方で、己れの欲望を満たすためにはいざとなれば暴力も厭わじと眼をぎとぎとさせているさまにも似て、見苦しいことこの上もない。
・仕事ってそういうものなんだ。みんな、人格を切り売りして生活しているんだよね。サラリーマンだって上役の前では己れを殺して卑屈に従属しなきゃいけないんだもの。あたしたちが自分の好みや自尊心を捨てて、助平おやじの自尊心をこちょこちょとくすぐって慰撫してあげるのだって、まったく同じ構図じゃないか。