ショートストップ "忘却にあらがう 平成から令和..." 2025年8月5日

忘却にあらがう 平成から令和へ
耳を傾けすぎな政府、芸能界、出版社…… 繋がりすぎる現代への懐疑的な視点に溢れた時評集 「近代民主主義の父といわれるルソーは、「一般意志」が機能するためには有権者相互の交流はむしろ抑制すべきだと記している。ネット社会と民主主義は原理的に両立しないのかもしれない」 平成なる時代の総括も興味深かった。何かを伝えようというより遺そうとする切実な意志を感じる文章。 「平成は祭りの時代だった。平成はすべてを祭りに還元し、祭りさえやっていれば社会は変わると勘違いをし、そして疲弊して自滅した時代だった(…)。 ただひとつ、一七歳から四七歳という人生のもっとも重要な時期を平成に捧げた世代として、新元号を生きる若い読者たちに伝えたいことがある。かつて日本には大きな可能性があった。同じようにぼくたちの世代にも可能性があった(あたりまえだ)。平成の三〇年は、空虚な祭りを繰り返してその可能性を潰してしまったが、それと共振し、不毛な半生を過ごしたのはけっしてぼくだけでないように思われる。言論人でも政治家でも経営者でもなんでもいいが、ぼくたちの世代には、日本は変えられる、変えるべきだと信じた結果、結局は祭りの神輿になることしかできず、可能性を掴み損ねた人々がたくさんいる。」
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