JUMPEI AMANO "到来する女たち 石牟礼道子・..." 2025年8月15日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年8月15日
到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学
第二章一〜二を読む。 〈中村の『女と刀』は、(旧)武士階級の女のフェミニズムという点で大原の『婉という女』と交差し、同時に、「娘世代」による「母」という他者の伝記という点で、石牟礼、森崎らの言葉と交差している。これらの言葉の群れは、彼らの歴史(his-story)から零れ落ちてきたかの女たちの声の欠片を拾い集め、「もうひとつの声」の記憶(her-story)を紡ぐという言語行為において共鳴している。/また[...]石牟礼、森崎、中村の三人の娘による母の伝記は、いずれも、母恋いの担い手を息子から娘へ転じ、語られてこなかった女たちの記憶を拾遺し、口を噤まされてきた女たちの声を掬い/救いとっている。娘に規範を与える「母」の「呪い」や「束縛」は、そこでは、家族関係における私的で個人的な関係性であると同時に、社会的に構築された構造がもたらす抑圧であり、歴史的な出来事の現象でもある。かくして[....]〉(118-119頁) このあたりの導入的な整理、わかりやすいな。中村きい子の短編「かやかべ」も、著者の導きに従ってあらすじを確認していくだけでもだいぶ面白そう。
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