ほのめ "右園死児報告 久(2)" 2025年8月16日

ほのめ
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@udonco
2025年8月16日
右園死児報告 久(2)
後日談かと思ったらまさかの前日譚。 前作で強死児の一角として登場……と見せかけて、売春婦の能力でメロつき奴隷と化し、最終決戦でも徐々に健気に見えてくる程の活躍を見せてくれた三田倉九をメインに据え、作中日本で右園死児対策が本格化していった経緯を描いていく補遺的な位置付けの作品だった。 前作最後の方で引っ掛かりを覚えた錯覚的首吊り死体や棚主というキャラクターについても回収されていて安心。 神谷修二についてはそのまま当人が出てくるので分かりやすいけど、内務大臣右園死児、封印用生体七号、け異ブまンなど、細々とした前作と繋がる要素も多く、何度か前作を確認しつつ読み進めたけど楽しかった。 け異ブまンのまさかの正体が切なすぎる……け異ブまンを最初に読んだとき、横穴内の赤いスプレーの落書きの内容がなんだかこの先は危ないぞという忠告みたいだなと思ったんだけど、多分これも人が入ってこないようにと、何が起きるか、何があるのか、清がなんとか書き残したってことなんだろうな。清、報われてくれ……。 右園死児シリーズ、ホラーを読みたいという心づもりで読み始めたのでちょっと肩透かしを食らった感もなくはないけど、SCP的サーガとしてはかなり楽しめたかな。 ほぼラノベに近い読み味だったけど、普通に面白かったので続編が出たら読むと思う。
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