
talia
@talia0v0
2025年8月17日

HIVとともに生きる
大島岳
読み終わった
読書会の本でした📙 かなりボリューミーで2ヶ月かけて読みました(とか言いつつ私は3日くらいで不真面目な斜め読みをしてしまった…😵💫)
本書と関係の無いリンクを載せてしまうのですが、みなさんは“HIVに感染すること”と“エイズを発症すること”の違いが何かわかりますか? 私の本書…というかHIVについての理解はそこからでした。
https://mycare.or.jp/venereal-disease/hiv/
HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことを指し、HIVウィルスに感染(本文中では陽性者と記載)した場合に適切な治療を施さず、重篤な感染症や腫瘍を引き起こした状態をエイズといいます。HIVの感染経路は複数ありますが、中でも行為一回につき感染率が高いのは輸血が90%で、性行為や静注薬物での感染はたったの 1 % 前 後 。更に1990年代後半に登場したART(抗HIV療法)の導入によってHIV感染症は糖尿病や高血圧と同じいわゆる「慢性疾患」として位置付けられるようになった。にもかかわらず、HIVそしてエイズに対する「死に至る病い」や「ゲイのがん」であるかのようなスティグマは根強い。
本書はそんなスティグマを批判しつつ、実際にHIV陽性告知から10年程度以上を経た当事者に「HIVとともに生きる」ことを尋ねたライフヒストリー研究をまとめた本です。実際に陽性者が診断を受けて感じたこと、それによって変わった/変わらなかった交友関係や人生観、病とのつきあい方、将来についてが生活史として研究されています。
スタートがほぼほぼゼロ(というかマイナス)というかなり無知な所から始まったので、全体通してひたすら勉強になる本でした。HIVについての偏見を改めると同時に、読んで良かったと思うばかりです。