

talia
@talia0v0
- 2025年10月10日宙わたる教室伊与原新読み終わったドラマから本作を知って原作に辿り着きました。 各章視点となるキャラクターがいるのですが、ドラマだと第三者的に見ていたシーンでこのキャラクターはこんなことを考えていたのか、が伝わってより作品の魅力を感じることができました。 1〜4章はほぼ原作通り、それからの藤竹先生と科学部四人のやりとり、学会発表準備中のあれこれ、木内先生のキャラクターや相澤さんの仕事(苦悩)ぶり、藤竹先生の過去(恩師やかつての教授との対立)などが原作の雰囲気を損なわず追加脚色されたものだとわかって驚きました。 原作が素晴らしいからこそのドラマだと重々理解した上で、本を読みながらドラマにあるシーンも無いシーンも、ドラマで見たように頭に思い浮かびながら読んでいました。 改めて本当に素敵な作品だと思います。誰しもがどんな境遇にあっても、学びたいという意思があれば学び続けることができる。その素晴らしさをこの作品と共に、ずっと忘れずにいようと思います。
- 2025年9月27日アンチ・アンチエイジングの思想上野千鶴子読み終わったどちらかというと副題の「ボーヴォワール『老い』を読む」がメインの本。 もともとみすず書房の連載をまとめたものらしいです。第1〜10章でボーヴォワール『老い』をさまざまな視点(文化、歴史、性、女性etc...)から焦点を当てて読み、第10〜15章でシームレスに現代の現代の超高齢化社会、高齢者福祉、アンチエイジングについての考察を行う。 30代という私の年齢は「“老い”を意識する」と言えば「まだ若いのに」と言われる年齢だと思う。 とはいえ私を含め同年代を占める私の友人たちは10代20代からの身体の変化を気にする人や、それこそ「認知機能が働いてるうちに死にたい」と口にする人もいる。 私はそこまで断言できないものの、でも自分がその時になったらどうしたいかわからない、問いに答えを出せずに優柔不断な態度でいるのが正直な所。この本はその答えを得るために読んだわけでも、この本を読んでその答えが見つかったわけでもないのだけれど、高齢者福祉、介護、認知症について章を割いて書かれていたことは少しだけでも私の解像度を上げてくれた気がしました。 第5章、上野さんの別著書からの引用だそうですが、以下の文章が好きです。 「フェミニズムが要求してきたのは、女も男なみに強い、女も男なみに能力があるから、男と同じように待遇してほしいということではなかった。女は弱い、喧嘩したら勝てないかもしれない。子どもを産んだら、ハンディができるかもしれない。だが、それだからといってなぜ強い者の言うことに従わなければならないのか。弱者が弱者のまま、尊重される方法はないのか。そう、主張してきたはずである」 もしフェミニズムが「女も男なみに」という思想だったとしたら、向老学もまた「年寄りになっても若者と変わらない価値があると言いつづけなければならないことになる。高齢者は弱者ではない、と言いつづけなければならない。齢をとっても若々しく生きよう、というアクティブ・エイジングの考え方を採る人もいる。だがそういう人は、自分がアクティブじゃなくなったらどうするのだろうか?」 「向老学学会というのは、老いに立ち向かう学会ではなく、老いを迎えいれる学会だ、そうわたしは信じている」
- 2025年9月14日私の身体を生きるエリイ,児玉雨子,千早茜,宇佐見りん,山下紘加,島本理生,朝吹真理子,李琴峰,村田沙耶香,柴崎友香,能町みね子,藤原麻里菜,藤野可織,西加奈子,金原ひとみ,鈴木涼美,鳥飼茜読み終わったどこで見かけて気になった本か忘れてしまった…あまりこういうオムニバス形式のエッセイは読まないのですが、作家の何名かとテーマが気になったので読みました。 タイトルの「私」や表紙の雰囲気、寄稿者名からふんわり女性の作家を集めたエッセイであることがわかる。でも書かれている内容は女性性の話だったり、そうじゃなかったりする。ファッション、自慰、身長、怪我、老い、障害、不眠、etc... 肌感覚で“わかる”ものもあれば“わからない”ものもあり、“知ってる”話も“知らない”話もあって全部愛おしかったです。 気になってた作家の話は楽しく読めたし初めて見たり読んだりするお名前の方で愛着の湧く話もありました。藤野可織さん、金原ひとみさん、エリイさん、児玉雨子さんの書いた四つがお気に入りです。 こういう、何となく自分と属性の違い方の身体に関する話が読めるのは大変ありがたいことだと思いました。あと読みながら「私が自分の身体について語るなら、何をテーマにするだろう」ということも少し考えた。 おすすめ!
- 2025年8月30日トランスジェンダー男性のきみへザンダー・ケッグ,メガン・M.ローアー,上田勢子,周司あきら読み終わった書評を見て気になって。 自分に向けられた本ではないと重々承知しながら読みました。でも印象的な箇所はいくつかあって、ひとつは彼らがホルモン治療や性別適合手術で男性らしくなるにつれ、それまで彼らと親しかった女友達との縁が切れてしまうこと。 いくつかの体験談で、これまで親しかった女友達がより男性らしくなった彼らの特権性を意識して、これまで通りの付き合いを拒み、心を閉ざしてしまうというケースについて話していた。それと同時に、彼らは自分たちが新しく得た“男性”という特権性を意識して戸惑うらしい。しかしこの特権性は彼らが「トランス男性である」と開示すると同時に崩壊するかもしれない諸刃の刃で、彼らはその事実についても葛藤する。 もちろん、幾人かの女性とは変わらず友情が続いてる話もあったけれど、もし私が同じように「彼」の友達の立場だったとして、変わらず親しい友達として接することができるだろうかと内省するエピソードでした。 数年前トランス差別がSNSで急激になり出した頃、性別適合手術をしたトランス男性が「ホモソーシャルな男社会がしんどい」と涙ながらに語る動画と「やっぱり性別は変えるものではない」というコメントが付いた投稿を見かけたけど、この本は動画を投稿したような人に向けた本だと思う。そして一人でも多くの当事者に、この本が届けば良いなと思いました。
- 2025年8月17日HIVとともに生きる大島岳読み終わった読書会の本でした📙 かなりボリューミーで2ヶ月かけて読みました(とか言いつつ私は3日くらいで不真面目な斜め読みをしてしまった…😵💫) 本書と関係の無いリンクを載せてしまうのですが、みなさんは“HIVに感染すること”と“エイズを発症すること”の違いが何かわかりますか? 私の本書…というかHIVについての理解はそこからでした。 https://mycare.or.jp/venereal-disease/hiv/ HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことを指し、HIVウィルスに感染(本文中では陽性者と記載)した場合に適切な治療を施さず、重篤な感染症や腫瘍を引き起こした状態をエイズといいます。HIVの感染経路は複数ありますが、中でも行為一回につき感染率が高いのは輸血が90%で、性行為や静注薬物での感染はたったの 1 % 前 後 。更に1990年代後半に登場したART(抗HIV療法)の導入によってHIV感染症は糖尿病や高血圧と同じいわゆる「慢性疾患」として位置付けられるようになった。にもかかわらず、HIVそしてエイズに対する「死に至る病い」や「ゲイのがん」であるかのようなスティグマは根強い。 本書はそんなスティグマを批判しつつ、実際にHIV陽性告知から10年程度以上を経た当事者に「HIVとともに生きる」ことを尋ねたライフヒストリー研究をまとめた本です。実際に陽性者が診断を受けて感じたこと、それによって変わった/変わらなかった交友関係や人生観、病とのつきあい方、将来についてが生活史として研究されています。 スタートがほぼほぼゼロ(というかマイナス)というかなり無知な所から始まったので、全体通してひたすら勉強になる本でした。HIVについての偏見を改めると同時に、読んで良かったと思うばかりです。
- 2025年8月15日マーダーボット・ダイアリー 下マーサ・ウェルズ,中原尚哉読み終わった読み終わりました!思ったより時間かかった。 色々思いながら読んだのですが私の言葉より解説の言葉の方が的確と思ってしまい、言葉をお借りします。(ネタバレ気味なのでコメントで) 続きが早く読みたいです。いつ読もうかな〜
- 2025年8月2日男も女もみんなフェミニストでなきゃくぼたのぞみ,チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ読み終わった友人に勧められる本が欲しくて読みました。 手に取りやすいコンパクトなサイズに読みやすい文章。 友人の個人的な悩みにダイレクトにお勧めできるものではありませんでしたがとても良い本だと思いました。 一応元になったYouTubeのTED動画も見ましたが本の方が内容が入ってくる気がしました。内容も後になって本が刊行されたからか少しブラッシュアップされている気がしており、動画(チママンダさんのトーク)ならではの笑いの文脈は残念ながら抜けてしまいましたが、じっくり内容を噛み締めたい方は本を読むのをお勧めします。 内容が気になる方は手始めにYouTubeの動画を見ることをお勧めします。動画を見た後でも、本の内容が色褪せることはありません。 https://youtu.be/hg3umXU_qWc?si=zR8kv2aI6P5W1MI4
- 2025年7月12日菜食主義者きむふな,ハン・ガン借りてきた読み終わったおもしろかったです。全三遍、短編集ではなくひとつの大きなお話で、表題作を越える(諸々の)グロさは無いので一篇目が読めたらあとは覚悟しながら読めると思います。 突如肉を食べられなくなったヨンヘの話なのですが、ヨンヘの視点で語られる話が(ほとんど)なく、彼女に無理解な人たちのせいで具合が悪くなっていくヨンヘを傍観するしかない、というつくりなのが巧く、そして読んでてつらい。 彼女の症状を紛れもなく悪化、助長させた要因は一篇、二篇から読み取れるのですが、そもそものきっかけというか、誰かの責を問いたいのならもっとその背景を深掘りし得るだろう、という人物が徹底して透明化されていると感じ、「書かれていないこと」の巧みさに唸る一方で、自責し続けるインへに胸が痛む三遍目でもありました。 次何読もうか迷う。
- 2025年7月10日菜食主義者きむふな,ハン・ガン借りてきた読み始めたとりあえず表題作の一篇目のみ。 あまりのディスコミュニケーションとそれ以前の家父長制とミソジニーのしがらみに震えた一篇でした。こんな言葉少なく無関心と暴力と残酷さを書けるのかと思いながら読む手が止まらなかった。 なかなか重たい読後感で続き読めるかなと思いましたが、ネタバレでヨンヘを中心にしたひとつのお話っぽいことを知り興味が湧いたので、今週中に読んじゃいたい気も起きました。
- 2025年6月24日PLURALITYオードリー・タン,E・グレン・ワイル,山形浩生買ったBlueskyで見て気になった本。 このジャンルなら会社の経費で買えると思って書籍説明だけ見て買ったら600ページの聖書ばりの厚さの本が届いて爆笑してしまった。がんばって読みます……📕
- 2025年6月20日赤い刻印 (双葉文庫)長岡弘樹読み終わった読み終わった!やっぱり長岡さんの短編は面白いです。 「秘薬」が個人的に好きでした。 私が感想で書けそうなこと(よりももっと質の良いこと)は解説に全部書いてありました。のでみなさん気になったら解説読んでください。長岡さんのミステリーはマイノリティや社会問題をトリックに使ったりせずに社会的なテーマを扱っており、それがとても上手で読み応えのある作品だと思います。
- 2025年6月14日傍聞き長岡弘樹読み終わったかつて読んだ長岡さんの短編ミステリは色々好きで、王道ですがこれが初めて読んだ作品です。 もともと短編小説にあまり魅力を感じていなかった学生時代に初めてこれを読んで、感動したのはまだ記憶に新しいです。電子で買って、時々気分転換に読み返してます。 教場みたいにシリーズ化されていたことを最近知って、続編を図書館で借りてきたので最初の二編を読み返しました。
- 2025年6月4日ここはすべての夜明けまえ間宮改衣借りてきた読み終わった読み始めた図書館で!のろのろ読んでるけど予約が70件以上入ってるのであと一週間で読み切らなければならない。まさかこんな話だとは思わなかった。 文体に『アルジャーノンに花束を』みを感じる。
- 2025年6月2日マーダーボット・ダイアリー 上マーサ・ウェルズ,中原尚哉読み終わった買ったよ、読み終わった〜!!おもしろかった! 上下だけど直接繋がってるわけじゃなくて分かれた話が上巻に二つ。下巻まで読むと大きいひとつの話の全体像が見えるのかなと思うなど。 著者のインタビューで、“It’s a slave narrative, she says. What’s annoying is when people don’t see that”と答えてる記事を(部分的に)見た事があるのでそれを念頭に読みました。 マーダーボット(以降弊機)は自分のことを人間扱いしてくれるプリザベーション補助隊員たちとのやりとりを居心地悪く思っていた。そして自分を後見人にし自由契約にしてくれた(奴隷解放してくれた)メンサーの元も逃げてしまうんだけれども、どうにも人間に情があって死んだり傷ついてしまうリスクに胸を痛め、彼らに協力しようとする。 二つ目の話、『人工的なあり方』では、依頼人にラビハイル(目的地)に向かってはいけないと伝えるべきところを「仲間といっしょにまた仕事がしたかった」気持ちを優先させて依頼人たちをラビハイルに向かわせて大怪我をさせてしまう。彼の選択を後押ししたのは「人間から命令されることに慣れすぎて、人間がみずからの愚行で傷つくことを軽視して」しまっていたからという、人間との接し方についての葛藤と、警備ユニットとしてのあり方から抜けきれない葛藤がグラデーションのように混ざり合うラストが切なかった。 下巻も楽しみです。
- 2025年5月27日
- 2025年5月24日マーダーボット・ダイアリー 上マーサ・ウェルズ,中原尚哉買った読んでる今月中に読み終わってドラマを見始めたい。 まだ最初の一割程度をのろのろ読んでるのですが、惑星に先についてるはずの隊員から連絡が全く無い、機材や衛星通信の不具合も相次いでとても嫌な予感がする。引き返した方がいいのに隊員は引き返す選択をせず、過去の契約を省みても「慎重になりすぎてほしいところです。」と不穏な予感がしまくってるのに章を締める最後の文が「次の当直まで四時間あったので、スタンバイ状態にはいってダウンロードずみの娯楽データに耽溺しました。」なのふふっで笑ってしまった。それとこれは別。
- 2025年5月24日言葉を失ったあとで上間陽子,信田さよ子借りてきた読み終わったようやく!結構ゆっくりめに読んでました。 アディクション・DVの第一人者信田さよ子さんと、沖縄で若い女性の調査を続ける教育学者上間陽子さんの対談集。(書籍説明文より) これより前に上間さんの『裸足で逃げる』『海をあげる』を読んでいました。二冊については、沖縄で起きている搾取の構造とその具体について、本土で生まれ育った私がセンセーショナルな感嘆と共に述べるのは結構傲慢なのでは(この考え自体が傲慢かもしれませんが)…と思って感想が書けなかったのですが、本書はプロフェッショナル二人の傾聴に関する対談、というニュアンスで読むことができました。 ちなみに信田さんの本を読むのはこちらが初めてです。 上間さんの本を読んでいて印象的だったのが、支援対象の女の子達のためなら何でもやること(仲介者の男性にご飯をふるまったり、DVパートナーに「○○ちゃんを殴らないでくれてありがとう」と手紙を書いたりする)なんですけど、信田さんも結構その辺の(私から見た)懐柔術が凄まじくて、「精神科医の男性はまずネクタイ褒めといたら良い気になる」「褒めることでしか彼ら(加害者プログラムの参加者)はオープンにならない」と仰ってて、最前線で働く人のなりふり構ってられなさと精神の強靭さを思い知るばかりでした。 あと「読んでる」の投稿でも書いたのですが同業者の名指し批判が凄くて(特に信田さん)、渡辺淳一の晩年の作品を「リアリティゼロ」「女性ファンタジー」と述べた後で(間に別の話題が挟まるので直後では無い)、男性の当事者研究者の名前を出しつつ「男性が自らの性を語るというとき、渡辺淳一になっちゃう」「定形化した、貧困なストーリー」と述べてて「言って良いんかそんなこと…」とちょっと(わくわくしながら)読んで思いました。 ちなみに私はこれを機にWikipediaで失楽園のあらすじを読んで震えました。あれ映画になってなかった????? こんなのが感想で良いのか…? 信田さんの本は改めて読んでみたいと思ったのと、アマルティア・センのケイパビリティの縮減(「選択肢が十五ある人と三つしかない人について“同じ選択をした”と言って良いのか」)が気になりました🙌
- 2025年5月23日
- 2025年5月21日そういやドラマ化してたなってやつ、アプリで読みました。 一気に読んでしまった…………… 岡田将生と高畑充希のドラマも気になるな〜と思いつつ漫画の方がマイペースに読めそうと思ったけど正解だった。人間だとちょっと生々しさのハードルがあったかもしれない。 美月さんが一番好きなのとどう見ても別れた方がいい夫が人が変わったように変容していく(のになんがご都合っぽく感じない)のが面白かったです。 なんか私がなんの価値観に囚われてるのかわからないんだけど、おとやんが美月さんと付き合ってるのも一子が礼くんを買ったのもフツーに同じ行為でお互い様じゃない…?と思うので一子の方が悪いみたいになってるのが最後まで微妙に引っかかってしまったな…公認不倫は一子が譲歩した結果だし…… にしても今頭の中を「剣山で刺される岡田将生は見たかったな…」しか出てこなくて本当に本当にごめんなさい。 ドラマとか漫画読んでるとたまに「刺されればいいのに」て思う男が出てくるけどおとやんは刺された結果輪を掛けて面倒くさい人になっててそれもおもしろかった。
- 2025年5月17日言葉を失ったあとで上間陽子,信田さよ子借りてきた読んでる今月の読書会の本です。第五章に突入。 渡辺淳一の晩年作品と女性ファンタジーの話があって、失楽園のあらすじをwikiで読んだら怖すぎて声にならない悲鳴が出ちゃった…🫠
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