碧の書架 "なれのはて" 2025年8月19日

碧の書架
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@Vimy
2025年8月19日
なれのはて
なれのはて
加藤シゲアキ
絵画と土崎空襲の話という部分に興味があり読みました。章ごとに、現在と過去が交互に書かれています。たくさんのプロットが詰め込まれています。 ストーリーに触れない部分で私がいいなぁと思ったのは、主人公と彼女さんと仕事上のパートナーの年下女性の関係でした。 私がこれまで読んだ男性作家が書いたミステリやハードボイルドでは、男性主人公に彼女なり妻なりの女性パートナーがいても、ストーリー上で年下の女性パートナーが登場すると乗り換えたり手を出したりするものが多くありました。 しかしこの「なれのはて」では、同じ部署の女性とばかり一緒に行動しているのに、主人公は最後きちんと彼女さんと共にいます。彼女さんはあまり登場していない上に、むしろ主人公より出世しているにも関わらず。非常に現代的だなーと感じます。 恋愛小説じゃないのでこんな読み方する人あまりいないと思うんですけど、私はその点に好感を持ちました。 良くない点を述べるとするなら、逆説的に、彼女さんのようなキャラクターの魅力をきちんと書ききれていない点かもしれませんwストーリー上の重要な協力者で、「え、これで終わり?」って思った扱いの登場人物が他に2人います。魅力的なキャラが多いだけに、どうなったか知りたかったですね。
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