JUMPEI AMANO "到来する女たち 石牟礼道子・..." 2025年8月20日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年8月20日
到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学
第四章ニ〜三読む。日本の資本主義の「二重構造」を踏まえながら。 〈森崎が、香具師、テキ屋稼業の人びとに惹かれたのもまた、定住とは差異化される放浪という運動性であったと言えよう。明治初期に流刑者たちを従事させる囚人労働を「はじまり」のひとつにもつ炭鉱は、沖縄奄美群島などの離島民や、被差別部落、貧しい農漁村や山村の人びと、さらには、日本の植民地支配下にあった朝鮮半島をはじめ、旧植民地出身者など、各地から流れてきた者たち、「流民」たちを構成員として成り立つ労働の場所であった。それは移動を基調とする点で、定住を基本とする農村や山村の共同体のあり方とは異質の原理や倫理を育む場所でもあった。〉(240頁) 〈小説『遙かなる祭』は、後期近代・現代の資本主義と労働、そこでの生のあり方を遠望しつつ、「都市雑業層」の生や身体性が示す微細な差異をこそ掬い取っている。〉(251頁)
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