
木村久佳
@kuCCakimura
2025年8月20日

橘の家
中西智佐乃
読み終わった
日曜日、青山ブックセンターで開催された佐々木敦氏×町田康氏のトークイベントに参加しました。
たくさんタメになる対談を聞けましたが、町田さんは実際にお話しされてる姿もご著書の通りでした。終始炸裂する町田節にカッカッケェェェェェェが止まりませんでした。
特に印象に残っているのは質疑応答での「読むことにタイムリミットはあるか」という質問への回答でした。
曰く「自分が書こうと思った時点で終わり」。
読んでいるものを評価するようになると、昔の純粋な気持ちでの読書にはならない。書くのを忘れて、純然と読むことを楽しむ方が良い、とおっしゃっていました。
数多くの文学賞で審査員をされいる町田さんならではのコメントだと思い、とても納得しました。
とはいえ、
昨今、創作をする人たちのための指南書のようなものが流行っており、そういった本を私も読んではいるのですが、
町田さんのコメントは、こういった指南書を否定するものでは無いのだと思います。
最近私がとみに興味を寄せているのは「創作者のための読書術」(フィルムアート社)ですが、こういったものを一読しようが、何度だって読み返そうが、私のような素人が、
町田さんのように、文学賞審査員をされているのみならず、きっとプライベートでも何千冊何万冊と言う本を読んできた方の深い読み方やその真髄にすぐに辿り着けるわけではない。
指南書を一回読んだからとて、良い意味でも悪い意味でも、タイムリミットはすぐにはやってきてくれないと感じます。
当たり前っちゃ当たり前ですが、傲慢な私はそういうことをすぐに忘れそうになるのでここにしたためました。
書くことも好きですが、読書の楽しさを忘れずに、今後も活字と付き合っていきたいと思っています。