
Eukalyptus
@euka_inrevarld
2025年8月23日

地衣類、ミニマルな抵抗
ヴァンサン・ゾンカ,
エマヌエーレ・コッチャ,
大村嘉人,
宮林寛
買った
読み終わった
全人類必読書。現代の人々が求めているであろう観点が詰まった一冊だ。どの立場の人であっても。
「地衣類」について、芸術や詩歌の視点を中心に追求された書籍であり、菌類と藻類が「共生」しているという奇妙な状態について、そして語らずにはいられない魅力が書かれている。
これは訳者がかなり正直で優秀だ。あとがきにて、本書の第4章は、ざっくり内容が薄いと述べているが、1節1節がヘビーなので個人的にはそれくらいで読みやすかった箇所であったが、原書には誤字や文法のなっていないところも多数あったときっぱり評価している。
類書が無いので本書頼みなところもあるが、そこでクールダウンしてくれるよいあとがきと感じている。
最近読んできた書籍との関連も個人的に取れていて、「地衣類」について語られているはずなのに、どこか人間界に置き換わる。それもそのはず、それが意図だからだ。藻類と菌類が「共生」した存在が、本来生活に不向きな岩などに張り付いて、「ミニマルな」存在でこの世界に「抵抗」しているのだから。(後は読んで
私の哲学や美学の真理に触れるような部分もあり、ヘビーな本ながら地道に面白く読み進められた。ある節では気に入りすぎてノートにまとめたほどだ。
お値段は可愛くないし、頑張っても読了には1週間以上を要するだろうが、全ての人にお勧めしたい、そんな一冊であった。