つばめ "ジブリの教科書4 火垂るの墓" 2025年8月24日

つばめ
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@swallow3
2025年8月24日
ジブリの教科書4 火垂るの墓
ジブリの教科書4 火垂るの墓
スタジオジブリ,
文春文庫編集部
"清太のとったこのような行動や心のうごきは、物質的に恵まれ、快・不快を対人関係や行動や存在の大きな基準とし、わずらわしい人間関係をいとう現代の青年や子どもたちとどこか似てはいないだろうか。" "家族の絆がゆるみ、隣人同士の連帯感が減った分だけ、二重三重の社会的保護ないし管理の枠にまもられている現代。相互不干渉をつき合いの基本におき、本質に触れない遊戯的な気のつかい合いに、みずからのやさしさを確かめあっている私たち。" "僕たち大人の日常はだいたい嫌なことの方が多い。特に現代ではそうですね。でも時たま何かの拍子に「ああ、生きているんだな」「人生はそんなに捨てたもんではないな」と思うことがある。幸福というのは、まあそんなときのことじゃないかと思うけど、子どもにはそんな瞬間がしょっちゅうあるんですね。" "戦争とは遠いところに悪い国があって、それを敵として闘うのではなく、お百姓さんや近所のおじさんおばさんや、親戚の人たちーーーそういう普通の善良な人が我欲を丸出しにして互いに憎み合い、いじめ合うようになってしまう、仲良く平和に暮らしていこうという人間性が消えてしまうところに怖さがあるのです。" "この映画には清太の幽霊らしきものが登場して、自分たち自身を見つめたり、こちら(観客)を見つめたりします。じつはいま、私たちは先立った人たちに見つめられているのだ、という日本人の昔からの感覚をもつことが必要ではないかと考えているのです。"
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