
ユウキ
@sonidori777
2025年8月28日

朝鮮植民地戦争
愼蒼宇
読み終わった
借りてきた
甲午農民戦争以降、日本の植民地戦争に晒された朝鮮の人々の民衆の抵抗の歴史と、大日本帝国の加害の蓄積を描く。
朝鮮の人々の中でも「義兵」「親日派」「村落」の人々とグラデーションがある中で、連座制で巻き込まれていく「村落」の人々の存在に、植民地支配における日常は戦時と隣り合わせだったという説が腑に落ちる。
また、植民地戦争において軍人たちが民衆の抵抗を「正当防衛」で正当化してきた経験の蓄積、また、抵抗されたという憎悪や恐怖の蓄積、それらが朝鮮の人々への差別心や偏見を生み、関東大震災における朝鮮人虐殺の下地を作ったとあるが、この蓄積は現代にも間違いなく引き継がれていると嫌な確信を覚える。
(日中戦争も復仇と捉えていたし、文書改竄で被害者数を矮小化したり、植民地支配や虐殺の正当化はここから続くお家芸か……と思った)
上記から関東大震災の朝鮮人虐殺は突発的、例外的に起きた事件でないことも納得できるが、それでも追悼文を送らなかったり、なかったとする言説は、蓄積への更なる加担だろうと思う。
文中にあった、朝鮮人は三度殺されているという一文はとても重い。
今まさに蓄積に後押しされて四度目を実行しようとしている人たちは現実に確実にいるし、国を挙げて、加害の歴史に向き合ってほしい。


