画伯 "歓楽の家" 2025年8月28日

画伯
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@ggahak
2025年8月28日
歓楽の家
歓楽の家
イーディス・ウォートン,
加藤洋子
同じ(こっちは完全なる労働者階級なのでもちろんぜんぜん同じではないのだが)経済的に頼る先がなく自力でなんとかするしかない身としてはなかなかつらい話だった。ありえた未来たちのましな方を常に逃し続ける不運の人。なのだけど、私には惨めな末路というよりは、不運続きの中ギリギリのところでなんとか自分の尊厳を守り続けた話に読めた。 もっとやり方が/できることが/選択肢があっただろうと言うのは簡単なんですよね…リリーだってわずかとはいえ労働者階級レベルにつましく暮らせるだけの不労収入はある様子なのでそれでよしとすることもできたはすだし、ほかにもっとできることはあっただろうと容易く思える。でもそこで潔く踏ん切りをつけ開き直って生き直すことは誰にでもできることではない。 それにしても卓抜な構成力、きびきびとした取捨選択で密度の高い小説。これも活字を欲する時、読書に没頭したい時にもおすすめ
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