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@bunkobonsuki
2025年8月29日

笑いのカイブツ
ツチヤ・タカユキ
雑誌「BANDIT vol.3」にて著者のインタビューがあり、そこから小説を読んだ。この小説は、ハガキ職人に殉じた著者の自伝的小説である。
「好きを仕事にする」とは華々しいイメージが付きまとう。この小説もある意味では「好きを仕事にする」がテーマなのかもしれない。
しかし、笑いのカイブツにおいてそれは呪いとも言える性質を持つ。頭を壁に打ちつけ、人から陰湿な仕打ちを受け、一度手放してもなお、離れることのない「好き」という名のカイブツ。
己の中の怪物を手懐けるという物語は古来より紡がれてきたものだ。まさかそれがノンフィクションであり、しかも隣人のような距離感で存在するとは・・・と考えてしまう。
