
青布団
@ofton_ofton
匂宮、紅梅読了
今なお亡き光源氏の威光は強いなぁ…みんなあの人がいてくれたら…状態で、影響力の強さを感じる。
頭中将(致仕の大臣)光源氏の若いころを思わせる新世代の二人。薫君は、薄ら自分の出生のことを気づいているのか。今までの若者にはない鬱屈したタイプだ。
上、中巻までにサラッと書かれていた子供たちがすっかり大人になって、また同じように思惑を巡らせていた。ただ、光源氏のようなダントツで強いカードみたいな人物は見られない。なんとなく登場人物もサラッとしてきたような。


青布団
@ofton_ofton
竹河読了
玉鬘という人は困難の運命にあるんだろうか、子供たちのことでまた頭を悩ますとは。冷泉院とのアレコレがここにまで後を引いてくるとは思わなかった。髭黒はめっちゃあっさり退場してたな…ここと縁付いてからこの苦労が生じ始めただろうに。
「まめ人」って言われて落ち込むのはいかにも青い若者って感じ。光源氏も徐々に成熟したけど、もうちょっと大人だったな。あと結構醒めてるがあってこれはもう別に心惹かれているところがあるから?(宇治の話題が)

青布団
@ofton_ofton
ちょっと思ったこと
髭黒の退場について、この話にもネームドキャラでキャラクター(人物)として描きたい人と舞台装置として必要な人といるな。髭黒は後者だと思う(明確にカテゴライズできないかもだけど)桐壺更衣にも割とそういう所感があったのでメモ

青布団
@ofton_ofton
橋姫読了
宇治との縁がこうやって繋がり、柏木との関係に繋がっていって驚いた。薫はちゃんと真実に近づくのか。勤行するにも何にしてもちょっと中途半端なんだよなぁ…って思ってて、現世に大して望みもないというのがなんとも醒めた若者らしい。「色恋目的ではありません」は、お約束の建前だよ。大概それでは済まされない。
なんで匂宮に言うかな。黙ってりゃ良いのに。

青布団
@ofton_ofton
椎本、総角読了
ストレスは身体に良くないという教訓。あと、日頃の行いというのは大事な時に響いてくる(匂宮聞いてるか?)
まだ東宮候補?だから、あんまり身軽じゃないのか…源氏や薫もそんな軽い身分じゃないけど、立場上匂宮は身動きが取りにくいと。
すごい頑固vs頑固故の悲劇というか。八の宮ももうちょっと後のこと考えたら、と思うけどこの人たちもあんまり軽はずみなことができないのか。身分って本当に難しい。
薫ってちょっと認識というか考え方がズレてる気がする。悪い人じゃないし珍しく真面目な人物なんだが、そうじゃないんだよ感が否めない。

青布団
@ofton_ofton
なんだろう、彼氏面ならぬ世話人面ムーブが最後までたっぷり。
中の君は今後心穏やかに過ごせるんだろうか。殆ど大君が命懸けで繋いだ縁と言っても過言じゃない。(大君の行動が全て褒められたものじゃないが。)中の君が姉の喪中からラストにかけて急激に大人の階段を登らされていたなぁなんて思った。

青布団
@ofton_ofton
早蕨読了
心が置いてけぼりにされている中の君という感じだけど、仕えてる女房たちのような切り替えも生き抜くには必要なことだよな。人に仕えてなければ生きていけない人なら尚更。一方で中の君はとても気丈な人とも思う。ポジティブとまではいかないけど、今は考えないようにしようとか上手くやり通せる時もある人。
宮は悪い人じゃないし、薫のことも中の君のことも大事に思ってはいるんだけどなぁ…
薫は人並み以上だから取り敢えずどうにかなってるけど基本的に世渡りとコミュニケーションは下手くそだと思う。なんか人の心が判らないところがある。

青布団
@ofton_ofton
宿木読了
中の君に執着するのは結局大君への執着からでは、と思うけどよく考えるとこの物語はずっと身代わりの話だった…中の君は大君ありきで薫を見ていて、別にこの人に思いを寄せてはいないのか。(迷惑そう、今までもこういうやりとり別のキャラでも見たな)
薫は世渡り下手かと思ってたけど、世渡りと外面はいいのか…ちょっと光源氏みたいな出世補正がかかってるな。別に渇望してるわけじゃないけど、自分も大したもんだなぁ…って若干自意識がある。ずっと大君の話してる。そして浮舟の匂わせが。
宮は自分の浮気は良いけど他人のソレは許せないタイプか。というか、自分の身分上多妻は当たり前だし、そうそう身動きが取れない身分だからって意識っぽいのか。薫の方が、二条院の人に施すべきことが判ってる。(実務力が高い)素朴で堅っ苦しくなくていいなぁ…とか思ってる時点で理解できるはずないか。

青布団
@ofton_ofton
東屋読了
親心ここに極まれりというか。宮の行動はなんというか言葉は悪いが病気だよなぁ…産後の妻と子どもがいる家で、気に入ったからと言って見知らぬ女君と共寝するかな…多分あんまり悪い事と認識してないよなぁ。前章で持った認識は変わらず。
浮舟にいろいろ教え込まないとなぁ…って思ってる薫、紫の上と源氏を思い出す。浮舟は、今までの女君たちの中でトップクラスに所在なさげな女性。大事に大事にされ過ぎた反動なのか、短期間で身の上が大いに揺すぶられてるからなのか。
ところで、これまでに増して田舎ディスがキツいので田舎者としては読んでいてあんまり気分が良くなかった。悪かったね野蛮で。

青布団
@ofton_ofton
浮舟読了
いつも章名が秀逸だなと思いながら読み続けたけど、「浮舟」がその一つだと思う。(作者がつけてるのかな?もしかしたら後の時代の人がつけたのかな)舞台に宇治川もあるし、所在なさげに二人の間で揺れる女君をよく表している。厄介だなぁと思ったのが、宮にも魅力を感じつつ薫に見放される事を恐れているところだった。
女君たちの侍女たちがいつもせっつくけど、彼女たちの進退にも関わるからしょうがないのかなぁ。でも結果があれだから、言わなきゃ良かったとか後悔がすごそう。

青布団
@ofton_ofton
「蜻蛉」と合わせて、宇治川への入水は明確には書かないんだ(原文は判らない)というのが驚いた点。死のシーンをはっきりは書かないのが習わしなのか。
長い物語の中で、出家の道を選んだ人、心病み亡くなった人は多かったけど、自ら命を絶つ人は初めてだったんじゃないか。浮舟は不安定で、ずっと誰かの代わりだったけど結果的にこの行動で他者と棲み分けした印象。最後で強烈だった。

青布団
@ofton_ofton
宮との逢瀬は正直薫を喰っていた。というか、割と作中でトップクラスに劇的な逢瀬だったかも。すごい見せ場感があったし、筆が乗ってたのか。舟を出してくるとは。
薫はちょっと悠長過ぎたかも。そういう意味で色好みに慣れていないというのはあったのかもしれない。

青布団
@ofton_ofton
蜻蛉読了
その後の話だったけど、入水はかなりインパクトがあった。以前本物の宇治川を見た時にここに落ちたら命はないだろうなと思ったことをよく覚えている。
薫も宮もかなり病むのだけど、病み方に個性が出るなぁという印象。宮は瞬発的に深く重く病む。(お見舞いの時に薫は一応釘を刺すのね)大君の時からだが、薫はずるずると病みや悲しみを引きずり続けてる感じだった。
ここで女一の宮の件を入れたのはなぜなのか。後で病気の祈祷をするシーンに繋げるためか。以前も言及があったけど、ここでまた心動くシーンがあったのがちょっと謎。

青布団
@ofton_ofton
手習読了
解説と合わせて、浮舟は本当に入水したわけじゃなかったのか。まさかの物怪の仕業と。まああの川に飛んだら死ぬよな…。でも入水で解釈してることも多いような。
ここでもまた色恋のクッションが入ってくるのか。いつまでも色情が浮舟を逃してくれない。読んでいる側としてはほっといてあげたら良いのにと思う一方で、これこそが女性が生き延びるための唯一の手段であり、側から見れば喜びなんだよなぁ。
出家した時ようやく、晴れがましく嬉しそうだった姿がなんとも言えない。宇治十帖辺りから母と娘の関係についても考えるようになった。

青布団
@ofton_ofton
夢浮橋読了
めちゃくちゃぶつ切りな終わり方で、しかも薫の株を普通に下げつつ終わっていった。人の心がわからなさを強調していったな…。最後の最後に、小君(意中の女君の弟)を使って姉に逢おうとするのが空蝉を思い出した。特に比較ではなく普通の慣習だったのかもしれないけど。
心穏やかな幕切れではなかった。ますます浮舟の憂いを思う。強固な縁というか、でもこの縁はどこに繋がっているのかと思う。(人形として始まっているので)薫の執着が浮舟本人に向かっているのか、大君へのそれからの延長なのかわからない。