
talia
@talia0v0
2025年8月30日

トランスジェンダー男性のきみへ
ザンダー・ケッグ,
メガン・M.ローアー,
上田勢子,
周司あきら
読み終わった
書評を見て気になって。
自分に向けられた本ではないと重々承知しながら読みました。でも印象的な箇所はいくつかあって、ひとつは彼らがホルモン治療や性別適合手術で男性らしくなるにつれ、それまで彼らと親しかった女友達との縁が切れてしまうこと。
いくつかの体験談で、これまで親しかった女友達がより男性らしくなった彼らの特権性を意識して、これまで通りの付き合いを拒み、心を閉ざしてしまうというケースについて話していた。それと同時に、彼らは自分たちが新しく得た“男性”という特権性を意識して戸惑うらしい。しかしこの特権性は彼らが「トランス男性である」と開示すると同時に崩壊するかもしれない諸刃の刃で、彼らはその事実についても葛藤する。
もちろん、幾人かの女性とは変わらず友情が続いてる話もあったけれど、もし私が同じように「彼」の友達の立場だったとして、変わらず親しい友達として接することができるだろうかと内省するエピソードでした。
数年前トランス差別がSNSで急激になり出した頃、性別適合手術をしたトランス男性が「ホモソーシャルな男社会がしんどい」と涙ながらに語る動画と「やっぱり性別は変えるものではない」というコメントが付いた投稿を見かけたけど、この本は動画を投稿したような人に向けた本だと思う。そして一人でも多くの当事者に、この本が届けば良いなと思いました。


