
CandidE
@candide_jp
2025年8月28日
二十六人の男と一人の女 ゴーリキー傑作選
ゴーリキー,
中村唯史
読み終わった
底辺の質感、自尊心とプライドのマグマ溜まり、瞬時に反転する不条理、そしてその余韻。めっちゃいい。沁みるわー。
本書に収められているは、『二十六人の男と一人の女―ポエム―』『グービン』『チェルカッシ』『女』の四篇。どれも実にいい。貧しさのもとで人々は傷つけ合い、辱め合い、慰め合う。その触れ合いは、人生の温度差と気圧差の折衝である。心ならずも心地よい風とかまいたちを、同時に起こしうる。
結論として、以下の抜粋を引用したい。
『「ああ神よ、みんなかわいそうです。すべての人生、すべての人間、すべてがかわいそうです、父なる神よ……」
悲しげにすすり泣きながら、女はそうつぶやいた。その肩が震えていた。
「こんな夜中に、これまで見てきたことのすべて、出会ってきた人みんなを思い出すとね、つらくなるんだ。大地いっぱいに叫びたくなるんだけど、何を叫べばいいか、わからないのさ。何一つ言うことがないんだ」
それは私自身にも経験のあることで、よくわかった。私の心もまた、この女の言うような、言葉にならない叫びに圧しつけられていたのである。』 ーー『女』より
