
青布団
@ofton_ofton
2025年9月6日

源氏物語 下
角田光代
読み終わった
絶対的な求心力を持つ、唯一の人がいなくなった後の物語だった。薫と匂宮はキャラクターとして不足しているというより、源氏物語というフィールド内では、二人の特性を兼ね備えていないと物語を操縦できませんよ、と告げられているように思った。
一方で、ただこの物語が光源氏のためだけの世界なのかとも思えなかった。光がない後の現実に引き込むために必要な二人だったとも思った。
光源氏の物語よりも、恋愛や結婚についてフォーカスしていたように感じる。人をより映す一方で、人の心を理解するとはどういう事なのか、滑落していく成り行きを見ながら考えさせられる。


