数奇 "ナイフ投げ師" 2025年9月7日

数奇
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@suuqi
2025年9月7日
ナイフ投げ師
ナイフ投げ師
スティーヴン・ミルハウザー,
柴田元幸
昔読んだ本だけど文庫が出たので再読。冒頭を飾る短編「ナイフ投げ師」から既に素晴らしく、「ある訪問」「夜の姉妹団」「月の光」など、現実と非現実の境目を曖昧にする、怪しさと美しさのある短編がとても良い。特に「空飛ぶ絨毯」は改めて素晴らしさに溜息が出る。小学生の暇を持て余した夏休みに、世界が広がっていく高揚感と恐怖の感覚を非現実の設定を交えながら美しく捉えた文章に唸らされる。しかし、後半の短編はどれも似たような手法で個人的には合わず。どれも不思議な建造物を論文調で語るものばかりで、確かに発想は面白いのだが飽きてしまい、流し読みしてしまった。初読時にも同じことを思ったのだろう、どおりで再読なのに後半の短編を覚えていないわけだ……。
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