

数奇
@suuqi
ぬいぐるみたちとカメと暮らしています
- 2026年5月24日
子どもの王様殊能将之読み終わった殊能将之のほか長編をすべて読み終わったのでこちらも読んでみたのだけれど、これもまた趣深い良い作品だった。ティーンズ向けにも書かれた一冊ということでミステリー要素は薄いが、団地暮らしの小学生たちのリアルな描写は大人が読んでも強い郷愁を呼び起こす。著者自身の幼少期が投影されているらしく、この憧憬描写だけでも素晴らしいが、人物の良さ、展開の面白さ、ビターな終わり方もよく、少し地味ながらも良い小説だと感じた。デビューから10年ちょっとで若く亡くなったことが本当に残念。 - 2026年5月22日
- 2026年5月22日
キマイラの新しい城殊能将之読み終わった最高に面白かった!石動シリーズで一番好き。全体的にコメディに振り切ったバカミス的な作品ではあるものの、章ごとの視点の切り替え方や登場人物の動かし方が上手くて読ませる読ませる。カーチェイスアクションまで始まっちゃってテンション爆上がりした。相変わらず著者の教養の深さからくるユーモアを随所に感じられる点もグッドで、「密室殺人とは何か?」という議論がしっかり真相に繋がるところも上手い。著者の魅力が存分に発揮された集大成的な一冊だと思った。
- 2026年5月16日
会社員の哲学 増補版柿内正午読み終わった喫茶店でたまたま座った席に置いてあってたまたま読んだのだが、今の自分の悩みにストライクすぎる内容でとても救われた気持ちになった。良い歳をしてほぼ社内ニート状態、スキルも身に付かず「何のために働いているのか……」と道に迷っている自分にとって、労働なんて本来は必要のないものだからサボってよいのだと考え方を変えてくれた一冊。サボれる環境にいる幸運をフル活用して好きなことして生きようと思った。
- 2026年5月12日
はくしむるち豊永浩平読み終わったデビュー作『月ぬ走いや、馬ぬ走い』が素晴らしかったので新作を楽しみにしていたのだけれど、この作品は正直ハマらなかった……。過去の戦時中の沖縄と、現代の沖縄の若者たちと二つの時間軸が交差しながら脈々と続く歴史を描く手法は前作と全く一緒で、登場人物の数を絞り込むことでよりテーマを深めようとしてはいるものの、群像劇としての構成の巧みさが光った前作の方が良かったと感じてしまう。終盤にやっとカタルシスがあるもののそれまでは読んでいてずっとしんどく、大量のサブカル作品の引用も出したいだけという感じがする。 この作者ならではの魅力はあるので、今後に期待……。
- 2026年5月9日
鏡の中は日曜日 (講談社文庫)殊能将之読み終わった石動シリーズ3作目。複数の視点、時間が交差するストーリーテリングでとても読ませる内容。驚きの展開が何度も起こり、序盤からずっとワクワクさせてくれる、とても質の高いミステリだった。ただ、事件の真相についてはちょっと納得しがたいものもあり、前作『黒い仏』で後期クイーン的問題を描いたのに自分でその問題をやってしまってない……?と思ったりした。また、ミスリードがただ読者を驚かせるためだけのものに感じられてしまい、もう少し冒頭の視点が掘り下げられるなどがあると良かったようにも思うが、しかし作者のユーモア溢れるアイデア力が光る作品で、読んでいてとても楽しかった。
- 2026年5月2日
- 2026年5月1日
自分の感受性くらい茨木のり子読み終わった普段は詩集を読まないので何か読んでみたいと思い、有名なこの本を古本屋で見つけて購入。読んでみるととても親しみやすい言葉で日々感じたことが綴られている。この親しみやすさとユーモアがとても魅力的で、解説にもあるように読み手に問いかけるような文体がまた、書き手との距離を縮ませているように思える。それでいてとても鋭い詩が多く、特に最後の『鍵』という詩が素晴らしかった。 - 2026年4月24日
お前の彼女は二階で茹で死に白井智之読み終わったどうやったらこんな設定思いつくの??というぶっ飛んだ設定と、それを活かしたトリックの妙がミチミチに詰め込まれている。『エレファントヘッド』同様に、一度解決したと思われた犯行が実は間違っていて真相は別にある、というのを何度も繰り返す緻密さが見事で、倫理観の無さや奇怪な設定によってそれを可能にしているのもこの作者ならではの境地で凄い。 しかしこの人の書くトリックは伏線回収を通り越してどうしても辻褄合わせに感じてしまう。その点の合わなさがありつつ、この著者の唯一無二の魅力にも納得できる一冊だった。 - 2026年4月24日
ファイト・クラブ〔新版〕チャック・パラニューク,池田真紀子読み終わった映画の印象が強く、異なるラストシーンに驚きつつも、全体的にはかなり原作に忠実に映画化されていたんだなあと知った。しかし原作を読むとこの作品のバイオレンスな部分はメインではなく、1人の男の内省的な部分が主題であるように感じられ、そこに強く共鳴できて良かった。 散文的な文体でやや難解ながらも映画を観ていたおかげですんなり入ってきたし、かえって文章表現の鋭さをストレートに感じられてとても素晴らしかった。
- 2026年4月10日
河合隼雄の幸福論河合隼雄読み終わったkindle unlimitedでサクッと読める本を探していて、河合隼雄が好きなので読んでみた。「しあわせ眼鏡」という題で連載されていた、1分程度で読める「幸福」にまつわるエッセイがまとめられた一冊。ちょっとした内容ばかりだがその中に河合隼雄の、物事に対する視点の豊かさが散りばめられている。すごく印象に残る・感動するというのではなく、ちょっと自分も視点を変えてみようかなと思えるようなライトな読み心地が良かった。 また、他の本で読んだ好きな一節が、この本からの引用だということを知った。 「幸福ということが、どれほど素晴らしく、あるいは輝かしく見えるとしてもそれが深い悲しみによって支えられていない限り、浮ついたものでしかない」 - 2026年4月8日
- 2026年4月7日
- 2026年4月7日
- 2026年4月4日
- 2026年3月24日
人間たちの話柞刈湯葉読み終わったあらゐけいいち先生が表紙を描いていて気になって読んだ。ポストアポカリプスやディストピアやファーストコンタクトや系外文明といったSFをとてもライトな読み心地で描いた短編集。なかでも最もコメディ色の強い「たのしい超監視社会」が好きだった。オーウェルの『1984年』を日常アニメにしたようなノリが笑えたし、それでいてちゃんと深いテーマがある。オチも好き。逆に真面目な短編である「人間たちの話」もとても良かった。ファーストコンタクトって本来こういう地味なものだよねというリアリティと、並行して家族の話が描かれる、結局はどれも人間の話でしかないという切り口が好き。
- 2026年3月16日
- 2026年3月16日
- 2026年3月16日
物語の役割小川洋子(小説家)読み終わった小川洋子のいくつかの講演をもとに、物語が持つ役割について文字に起こされた一冊。 とても短くサクッと読める文字量ながら、一文一文すべてを心に刻みたいほど素晴らしい本だった。 物語は作家が一から発明するものではなくすでに存在していて、書かれることを待っている。それを作家は形に起こすのだという考え方がとても興味深く、それが実践的な物語の作り方と合わせて語られるので説得力があった。 こんなにも読みやすく簡潔に、物語というものの持つ力が文章にされていて、小川洋子の言葉選びの凄さにも感動する。
- 2026年3月12日
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