

数奇
@suuqi
ぬいぐるみたちとカメと暮らしています
- 2026年2月24日
まぼろしの小さい犬フィリパ・ピアス,猪熊葉子読み終わった小川洋子と千早茜の対談で紹介されていて、「空想上の犬を飼う少年のお話」というあらすじが気になって読んだ。 児童文学だけれど中盤に衝撃の展開があって驚く。結末が本当に素晴らしく、訳者あとがきにもあるように凡庸な作家なら少年が本物の犬を迎えてめでたしめでたしとしそうなお話を、一筋縄ではいかない展開を最後に挟むことで作品のテーマや感動を深いものにしている。 心情描写も繊細で、終盤の「少年は成長を見せられるか?」とハラハラさせる描写は凄い。最後のワンシーンは本当に感動的。小川洋子による解説も良かった。
- 2026年2月22日
紙の動物園ケン・リュウ,古沢嘉通読み終わったSF的なアイデアが光る短編『心智五行』『愛のアルゴリズム』が特に好き。疾病を克服した人類がバクテリアを失うと人間性が変化するというアイデア、AIと人間の思考回路に違いは本当にあるのか?というテーマがとても面白かった。一方で中国の重たい歴史背景が語られる短編も多く、表題作『紙の動物園』と『文字占い師』はとても胸が苦しくなる話で、これらも深く考えさせられる良い短編だった。色んな表情の短編が収録された良い一冊。
- 2026年2月19日
- 2026年2月19日
- 2026年2月11日
- 2026年2月11日
- 2026年2月11日
すべて真夜中の恋人たち川上未映子読み終わった10年ぶりに再読。当時まったく本を読まなかった自分が「小説ってこんなに面白いのか……!?」と衝撃を受け、今に至るまで読書がいちばんの趣味であり続けているきっかけの一冊。 今読むと、周辺の人物がやや露悪的に描かれすぎているように感じてしまったが(この10年で自分の気にする部分が変わっているのも面白い)それを差し引いてもやはり名作だった。 社会からの疎外感のなかで、人に恋をし、その人がたったひとつ光になることの尊さと苦しさがとても繊細な表現力で言葉にされている。恋の苦しさを追体験させられるような没入感で、読後の切なさは再読でもかなり食らった。
- 2026年2月5日
火喰鳥を、喰う原浩読み終わったホラー小説として様々な怪現象が起こる内容でありながらミステリーとしての読み心地があり、続きが気になってほぼ1日ちょっとで読んでしまった。話のスピード感や没入感にのめり込んだけれど、ミステリーとして期待すると不明瞭な点が多く釈然としない部分も。ホラーとして読む分には考察の余地も多くて良いし、並行世界モノ的な展開も面白かったのだけど、個人的には期待していた衝撃は得られず今ひとつな感じもある。でもデビュー作でここまで読ませる筆致は純粋に凄い。
- 2026年2月3日
ハサミ男殊能将之読み終わったトリックも見事ながら、純粋にお話が面白くてハマった。連続殺人鬼「ハサミ男」を主人公としてその模倣犯を探すというあらすじが既に面白く、主人公(ハサミ男)と警察側のそれぞれの視点から真犯人を追うという内容がユニークすぎる。それでいてアッと言わせる仕掛けがあり、真相を知ってから読み返しても破綻が無い緻密さも凄い。名作と名高いだけある一級品のミステリーでした。文章にひねくれたユーモアがあるのも好きで、この人の他作品も読みたくなった。
- 2026年1月29日
- 2026年1月28日
- 2026年1月25日
中二階ニコルソン・ベーカー,岸本佐知子読み終わったなんじゃこりゃな小説でとても面白かった。エスカレーターに乗って降りるまでのごくごく短い間だけを描いた小説で、その間の壮大などうでも良い空想の旅が延々と綴られる。本当に延々とどうでも良い話を繰り広げ、さらにそこから脚注を引いて話を脱線させ、脚注がページを跨ぐほど長文で更にどうでもいい話を展開する。でも、どうでもいい事に心血を注いで思考を巡らす文章が面白く、読後は世界の見え方が変わるような謎の感動とカタルシスすらあった。些細なことに真剣に思考する姿勢はちょっと見習っていきたい。
- 2026年1月22日
- 2026年1月21日
- 2026年1月20日
なめらかな世界と、その敵伴名練読み終わったとても面白かった〜。どの短編もSFとしてアイデアが光るものばかりで、かつエモいストーリーが読みやすくて一冊に対する満足感がとても大きい。特に表題作は初っ端からブッ刺さりで、かなり心を掴まれた。並行世界を同時知覚できる、それが当たり前になっている世界という設定だけでもう面白いのに友情青春百合ドラマとして読みやすくてエモい。次々と場面が切り替わる描写も見事でした。 「ひかりより速く、ゆるやかに」もドラマチックで、エンタメ映画を一本観たような満足感があって面白かった。どの短編も読み応えがあって、良い本だった。斜線堂有紀による「隔たりを描くことで繋がりを描いている」という解説も素晴らしい。
- 2026年1月17日
- 2026年1月17日
バウムガートナーポール・オースター,柴田元幸「人生」を描かせてオースターに勝る者なし、と最後の作品に至るまで思わされる傑作だった。オースターの晩年の作品はどこか自伝的な、主人公に自分を重ねた作品が多いように思えるのだけれど、この作品も例に漏れず自身の死期を見て表出しているように感じられる。妻の事故死を引きずったまま老年となった主人公が、人生の終わりと向き合いながら最終章を歩み出す物語がとても良かった。人生の最終章に息子・娘のような存在に出会うという希望ある話であるのが素晴らしい。これまで様々な人物の人生を描いてきたオースターの最後の作品のタイトルがシンプルに主人公の名前であるというのも良いし、最後に綴った英単語が「begins」であるというのも美しいと思う。
- 2026年1月11日
- 2026年1月6日
- 2026年1月4日
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