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@tabine_sora
2025年9月11日
![宮沢賢治を創る人びと[改題増訂版]](https://m.media-amazon.com/images/I/51boYJql+7L._SL500_.jpg)
宮沢賢治を創る人びと[改題増訂版]
米村みゆき
ちょっと開いた
「無名の作家の全集ゆえ、一冊でも多く売れるようにと懸命に宜伝しなければならなかった楽屋裏の事情は、草野心平による東京の友の会の結成や、その冊子「宮沢賢治研究」の言及にも見受けられる。「岩手日報」も同じ事情を、というよりもむしろ、同じ〈使命〉を背負っていたのだろう。それが、「岩手日報」の場合には、地方において、さらにいえば地元意識に乗じるかたちで、偉人・宮沢賢治の像を創り出すことに繋がっていったと思われる。地元紙(県紙)というメディアが、全国紙なら瑣末事と片づけてしまうような地域の出来事を、比較的自由に掘り下げて書くことができたことも作用していたのだろう。「岩手日報」を結び目として、地域社会に深く根を下ろした宮沢賢治の小宇宙が存在したようだ」


