まいける "夢への前進" 2025年9月12日

夢への前進
夢への前進
成田真由美
先日、成田真由美さんの訃報が届いた。 1998年1月21日の日記が出てきた。 もうひとつのオリンピック(98.1.21) そのメールが届いたのは,96年のことだった。テレビ朝日の方から,「ぜひ子どもたちにこの番組を見せてください。もしよかったら,感想を送ってください。」と。その時のビデオが役立つなんて思わなかった。実際,そのビデオは段ボールの下の方に眠っていた。でもなぜか消せないでいた。一度も見てなかったけれど。今日,社会と道徳の時間を使って「パラリンピック96」のビデオを見た。今,社会で「ひとりひとりを大切にする政治」を学んでいる。障害者や老人にスポットをあてた学習だが,なにぶん教科書でも資料集でも扱いは小さい。でもどうしてもさらっと流す授業にしたくはなかった。まず,障害を持った方々が一番困ることは何かみんなで予想した。教室に置いてある「どんぐりの家」の本や,ドラマ「聖者の行進」,2学期みんなで見た映画「学校2」のおかげで,子どもたちもイメージしやすくなった。2つめの取り組みは,新聞で福祉に関するニュースの切り抜き。「先生,障害者の話題って意外と少ないね。」と漏らす子もいた。3つめは,ネットで見つけた養護学校の子と先生のふれあいのお話をプリントして話し合いを持った。そして今日は,アトランタで開かれたパラリンピックの模様を子どもたちと見てみた。今まで「障害者がかわいそう」とか「障害者への差別はいけない」などと言っていた子どもたちが変わった。義足をつけての100m走で11秒台で走る選手に,上半身だけで泳ぐ選手に,片足で1m92のバーをクリアーする選手に「すげえ!」「何だこれ!」と驚きの声があがる。もう限りなく尊敬に近い。阪神大震災で被害をうけ,車椅子を動かすことすら大変だったという 畑中和選手が,神戸の坂を利用して車イスのマラソン練習をする。バスケットでオーストラリアチームのエースがマジック・ジョンソンを思わせるノー・ルックパスをする。マイケル・ジョーダンのように車イスでフェイクを入れる。もう教室は沸きに沸いた。一緒に闘った後,水泳で金メダルをとった成田真由美選手とドイツのカイ選手が何度も抱き合う場面に感動している子もいる。言葉は通じなくても友情を育んでいる。その成田真由美さんが、ちょうど今日,横浜で長野オリンピックの聖火リレーにも車イスで登場していた。そして私が何より感動したのが,畝選手。車イス200mの金メダル選手のコメントだ。「やさしさを受けるのでなく,私たちがやさしさをあげられる存在でありたい。」と。その器の大きさに自分が恥ずかしくなった。見せて良かった。見て良かった。「パラリンピック」。もうすぐ長野五輪が始まる。パラリンピックの生放送を期待したい。 『夢への前進』を読んだ。 壮絶な病との闘いがそこにあった。 車椅子生活になり、周囲の冷たい目や理不尽な経験を乗り越え、車の免許をとったのに追突され、さらに障害をおってしまう。 水泳との出会い、コーチとの出会い、仲間との出会い、ライバルカイ選手との出会い、そして伴侶との出会いが綴られている。 「どこまで人間はがんばれるのだろうか」 自分の可能性を信じて、夢や目標に向かってまっすぐ前を見て進んでいく。思い返せば、私はいつでもそうやって生きてきた。 金メダルの裏にあった数々の苦難と涙とご両親の愛に 深く感動をおぼえた。 合掌
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved