
碧衣
@aoi-honmimi
2025年9月12日

怪談小説という名の小説怪談
澤村伊智
読み終わった
深夜の高速道路で発生した未来予知を描いた「高速怪談」
原書のハーメルンの笛吹きよりも切実で悍ましい「笛吹く家」
国際映画賞でグランプリを受賞したホラー映画の関係者に起きる悲劇が新聞や雑誌、ブログやネット掲示板などの媒体越しで繰り広げられていく「苦々蛇の仮面」
新婚旅行で訪れた関西の山奥で体験した地方に根付く風習と神のようなものの存在についてを描いた「こうとげい」
校舎に閉じ込められた中学生を襲う「うらみせんせい」
読んだ誰もが恐怖する神出鬼没の小説「涸れ井戸の声」
ある年の夏休みに行われた肝試しについて書かれた作文や夏休み以降の関係者の音声記録とある女性霊能者との繋がりの秘密を描いた「怪談怪談」の全7編の短編集。
「笛を吹く家」は以前読んだけど、ある一文には思わずヒエッとなった。
「涸れ井戸の声」はあのオチに持って行きたいのは分かったけど、いささか駆け足に感じられ「怪談怪談」をラストに持ってきたことで綺麗にまとまった印象を受けた。